保育士の感覚過敏は長所です

こんにちは。
感覚過敏研究所 ウェブ制作室ライターの「うち」です。

今回は、感覚過敏のある保育士は、現場で辛いことがある反面、感覚過敏があることが長所にもなるということをお伝えします。

この記事を見ているあなたは、感覚過敏で困り事があるのでしょうか。
それとも、あなたの身近にいる大事な誰かが感覚過敏なのでしょうか。

この記事を書いているライター「うち」は感覚過敏です。特に聴覚過敏がひどく、保育現場で長年「気持ち悪い」と思い続けながら働いてきました。それと同時に、「保育関係者の感覚過敏って長所だよね」と思いながら働いてきました。この記事では、感覚過敏があることをポジティブに変換する方法を、具体的な場面をあげながらお伝えします。

感覚過敏が長所である理由とは

感覚過敏だと、辛いことがたくさんあります。それと同時に、感覚過敏は長所でもあります。なぜなら、

過敏な人の気持ちが分かるからです。

特に、保育現場で働くあなたにとって、感覚過敏がある人の気持ちが分かることは、この上ない長所となります。感覚過敏がある子どもの気持ちに共感できるからです。そして、共感を基に、一人一人の子どもに対する配慮を考えられます。特に意識をしているつもりは無かったとしても、気持ちが分かる分だけ、確実に配慮をしているはずです。

感覚過敏について共感されたことはありますか?

感覚過敏について、理解されずに困惑したことは多々あると思います。

  • 我慢が足りない
  • ワガママ
  • 大げさ
  • そのうち慣れる
  • 気にしすぎ

これらの言葉を言われた経験がある人もいると思います。でも、感覚過敏は我慢とか、気持ちの問題ではないですよね。

だからこそ、自分の気持ちを分かってもらえたとき、気を遣ってもらえたときは、本当に嬉しいですよね。子どもも同じです。感覚過敏があって、周りの人達に理解してもらえない中で、あなたに理解してもらえることは救いになります。

感覚過敏の子どもにどう配慮するか

一人一人の子どもに合わせた対応をするということは、感覚過敏の有無に関わらず、保育の基本として必要なことです。

さらに、もし、あなたが感覚過敏だとしたら、他の人達よりも「感覚過敏のある子どもが、日常生活で、いろいろなことをどう感じているか」「その結果、どのような姿を見せる可能性があるか」ということを考えやすいはずです。もちろん、仮に同じような感じ方をしていたとしても、一人一人の子どもが見せる姿は違います。

今回は、みんなで集まるときのことを考えてみましょう。みんなの輪の中に入ろうとしない子どもがいたとすると、「もし感覚過敏があったとしたら」という視点で見たときに、どう対応するかが見えてきます。小さい子どもは言葉で伝えることが十分にできないため、保育者は子どもの姿を見ただけで、どう配慮するかを考えなければなりません。

1カ所に集まる前の段階で子どもの様子を確認する

もし、ある子どもが、他の子ども達と距離を置いているのなら、その日は他の子どもと近くにいたくないのかもしれません。反対に、集まる前の段階でみんなと距離を置いているのは、自分で気持ちの整理をしているからで、集まるときにはなんとか耐えることができるのかもしれません。

座ったときの見え方が苦痛である可能性を考える

保育室の一角がゴチャゴチャしているかもしれないし、輪になって座ったときには、目の前の子ども達の落ち着かない様子が目に入るかもしれません。また、みんなで同じ方を向いて座るときには、前に座るときと後ろに座るときでは見え方が違います。みんなと一緒に座っていられたときと、座りたくないときの違いは何なのかを考える必要があります。

活動への入り方を考える

たとえば、集まったときに、ちょっとしたゲームをしてから活動に入ることがありますよね。気持ちが他に向いている子どもを引きつけるには有効な手立てです。
しかし、ゲームが盛り上がって賑やかになると、騒ぎ声が苦手な子どもにとっては苦痛です。騒がしすぎるから、みんなの輪の中に入らずに、一人でいようとする子どももいます。

集まるスペースを考える

特に小さい子どもの場合は、ギューッとくっついていると可愛いし、くっつくことで安心できる子どももいます。しかし、くっつくことを苦痛に感じる子どももいます。

「頭や顔を触られるのが嫌」「隣の子どもの髪が当たる感触が我慢できない」などを考えると、隣の子どもとあまり近くなりすぎないように、集まるスペースを考えることが必要になってきます。

まとめ

保育士が感覚過敏であることは、感覚過敏である子どもの気持ちが分かり、配慮ができるなど、保育をする上で長所となります。

今回は、みんなで集まる場面について考えてみました。かなりレベルの高い話をしているので、できるかどうかは別にしても、感覚過敏があるあなたなら、この記事で言っていることは分かりますよね。感覚過敏の無い人達にとっては、この記事で書いたような子どもの気持ちは理解しづらいかもしれません。

みんなで集まる場面だけでも、これくらいの配慮を考えることができます。登園のとき、給食のとき、遊ぶとき、あなたが感覚過敏であることによって、他の人以上に子どもにやってきた配慮があるはずです。

あなたが感覚過敏であることによって、救われてきた子どもがたくさんいます。

保育者が感覚過敏であることは長所です。

もし、「感覚過敏があるから保育士になるのはちょっと…」と思っている人がいたとしたら、「感覚過敏のおかげで強みも手に入れている」と考えてみてください。感覚過敏があるあなたにしかできないことがありますよ。

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