【みんなの感覚過敏体験談】感覚過敏が理由で授業に出れず大学退学。「みんな違う」が当たり前の社会へ

えるさんご本人の画像

こんにちは。ライターのmikiです。

私のインタビュー記事は今回が初となります。

記念すべき初インタビューをお願いしたのは、関西在住のえるさん。

アトリエやカフェの運営、デザインやものづくりなど、幅広く活動を行っておられます。

えるさんの写真

―それでは、まず簡単に自己紹介お願いします。

兵庫県尼崎市在住の25歳です。

エジプトと日本のハーフで、4歳の頃、日本に来てからは日本人の母と暮らして来ました。

現在は旦那さんの経営する「シェアアトリエバンビ」という場所の副代表としてイベント企画やアトリエ内にあるカフェの店長をしています。

また、フリーランスとしてデザインの仕事や、ハンドメイド作品を作ったりもしています。

手に筆を持っている写真

―どんな感覚過敏がありますか?

1番大きなものは聴覚過敏です。

車のブレーキ音や、猫避けネズミ避けなどのモスキート音などの高音、サイレンや警告音などの大きな音も苦手です。

また、自分の意思で出られない密閉された場所も苦手です。

例えば電車、車、飛行機などです。

空気がなくなるような感じがしたり、匂いにも敏感です。

最近はあまりなくなりましたが、通学の満員電車でパニック発作を起こすことがありました。感覚過敏かはわからないですが、「閉じ込められている」「いろんな匂いがする」「電車の音がうるさい」など、複数の理由が重なったことが原因だと思います。

あとは学校の教室も、長い間いるのはしんどかったです。

―聴覚過敏によってどんな困りごとがありますか?工夫していること、解決できずに困っていることがあれば教えてください。

車通りが多いところだと、ブレーキ音などでうるさいので耳を塞いでいます。

1人ならイヤホンをつけて音楽を聞いているので大丈夫ですが、人と歩いているとイヤホンを付けれず、反射的に耳を塞いでしまうので、不審に思われないように誤魔化します。

気づかれているかもしれませんが。笑

乗り物だと車が1番苦手で、15分乗ると匂いと酔いと閉塞感でもう限界になります。

できるだけ車は避けてますが、どうしても乗らなきゃいけない時はドライバーに伝えたり、酔い止めやお菓子で乗り切ります。

電車も満員だと高校生の頃はパニック発作を起こしていたので、通勤や通学はできる限り時間をずらすか、電車に乗らないようにしています。

高校の頃は、満員電車を避けて通学していたので遅刻の常習犯でした。

あとは、映画館に行くと音が大きくてしんどいので音楽はかけずにイヤホンを耳に刺しています。

そうすれば少しだけ耳に入る音量が下がるので、まだ楽に見れます。

映画館は暗いので、こうしてもあまり目立たないのがありがたいです。

―いつ頃、感覚過敏に気がつきましたか?きっかけはなんですか?

1番古い記憶は、小学校の頃の運動会でピストルの音が怖かったことです。

不意に来る大きな音がとても苦手でした。

自分では、それが感覚過敏だとは気づいていなかったのですが、大人になってから母と話していると母は気づいていたみたいでした。

自分で認識したのは20歳ごろで、発達障害に関するイベントをしたり、勉強している知人から教えてもらい知りました。

―周囲の理解はどうですか?子どものころと大人になってから、何か変化はありましたか?

子供の頃は、自分ではあまり理解してなくて、ただみんなと何かが違うのかも、とは思っていました。ただ、私はハーフだったこともあってみんなと違うのは当たり前だったので深く掘り下げてはいませんでした。

子供の頃は、しんどかったらとにかく固まって小さくなっていたような気がします。

なので、大人しい子どもという風に思われていたんじゃないでしょうか。

大人になってからは、人といる時に急に耳を塞いだりするとびっくりされるので少し後ろを歩いたりして誤魔化したりしてました。

ただ、ここ2年くらいは少しずつ周りの人にも話せるようになってきて、正直に伝えています。

そうすればありのままの自分で過ごせるし、理解してくれる人も多いのであまり気にせず過ごせています。

―感覚過敏の方々がくらしやすい社会になるためには何が足りていなくて、何が必要だと思いますか?

大学生になった頃、人がいっぱいいる教室に長時間いるのが苦痛でした。

満員電車に乗っている時のように、空気がなくなるような感じがしたりいろんな音や匂いがしんどかったんです。

授業に出るのがしんどい時は、隣の空き教室でその時間の授業を1人で勉強したりしていました。

大学の相談室に相談したりもしましたが、必修の授業はどうしても出席しないといけず、卒業できる気がしなくなって休学、その後退学しました。

学校や会社も、こういう人に対しての配慮がされていれば違ったのかもと思います。日本の学校教育は、「みんな一緒」が当たり前だったように思います。

だけど、「みんな違う」ということが当たり前になればいいかもしれません。

特に困ったのは、周りの人に不審に思われるんじゃないかとか、心配させてしまうというようなことでした。

いろんな過敏を感じる方がいる、ということが広まれば、耳を塞いだりしても注目されなくなるかもしれません。

音の源を排除することはできないので、自衛することが普通になればいいなと思います。

―最後にアトリエバンビについて教えてください♪

シェアアトリエバンビは、兵庫県尼崎市の阪神杭瀬駅にある、「お絵描きできるコワーキングカフェ」です。16社からの協賛画材を使って自由にお絵描きしたり、おしゃれな空間で勉強や仕事をすることができます。アートに少しでも興味がある方、クリエイターさんやお絵描きしたい方、ぜひお越しくださいませ。

ライターのmikiも何度か遊びに行ったことがありますが、とっても広い空間で居心地がよかったです♪

詳細が気になる方はHPもチェックしてみてくだいね♪

 HPはこちらから→https://atelier-bambi.com

お知らせ

感覚過敏研究所では、感覚過敏当事者と家族が無料で参加できるコミュニティ「かびんの森」を運営しています。詳細は以下のページからご確認ください。

https://kabin.life/kabinnomori

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