触覚過敏とは

触覚過敏とは?

触覚がとても敏感で日常生活の中で困ることが多い状態を「触覚過敏」といいます。触覚過敏のある人は、肌に触れるものに不快感や痛みを感じることが多いですが、他の感覚器と違い触覚は全身にあります。そのため、「化粧品を顔に塗ることができない」「マスクがつけられない」「服の着用がつらい」「靴下がはけない」など、人によって過敏さがある部位が違います。

また、人に触られるのが苦痛、手をつなげないなど、人との触れ合いや距離の取り方で悩みを持つ方もいらっしゃいます。

触覚過敏の症状の一例

  • 人に触れられることが苦手で、側に寄られるだけでも逃げたくなる
  • 服のタグ、縫い目などに痛みや不快感を感じ、快適に着られる衣服が少ない
  • 口周りが敏感な場合、マスクの着用が難しい(痛みや不快感を感じる)
  • 重さ、窮屈さ、素材の感触などにより、服や靴下を身に付けるのが苦痛
  • 雨や風が当たると不快感や痛みがある

触覚過敏の困りごとは?

  • 学校や職場指定の制服が着用できない。そのため、学校や職場にいることが難しく、不登校や就労の課題がある。
  • マスクの着用ができないため行動に制限が出たり、接客業務ができないなど日常生活にも仕事にも影響がある
  • 化粧ができなっため接客の仕事ができない
  • 着用できる衣類がなくてずっと探しているが、見つからない
  • 自分の子どもなのに抱っこや触れ合いが苦痛で親としての自己嫌悪に苦しむ

触覚過敏の原因は?

以下のような障害や疾患に触覚過敏の症状が見られる場合がございます。


  • 発達障害によるもの
  • うつ病や双極性障害によるもの
  • トラウマやPTSDによるもの
  • 統合失調症などその他、精神疾患によるもの
  • コロナ後遺症によるもの
  • 高次脳機能障害、てんかん、脳卒中、認知症など脳の疾患によるものによるもの
  • 交通事故などにより頭をぶつけた後遺症によるもの
  • 線維筋痛症によるもの

上記以外にも、さまざまな理由で感覚に過敏さの症状が出る場合がございます。


触覚過敏の診断方法は?

感覚過敏は病名ではありませんので、「診断名」として診断されることはありません。上記にあげたような障害や疾患の症状としてとらえられます。ただし、学校や職場などへの合理的配慮を求める際に、診断書を求められる場合があり、対応くださる病院もございます。

触覚過敏の治療方法は?

感覚過敏の根本的な治療方法や緩和方法は、現時点では医学的に確立されたものはございません。ただし、ADHD治療薬や抗精神薬の服薬によって感覚過敏の症状が緩和されることはあります。しかし、多くの場合は、治療方法がないため、緩和方法を考えていくことになります。




どこに相談すれば良いの?

病院に相談する

発達障害や精神疾患で病院に通っている場合は、主治医にどのような過敏さに困っているか相談ください。

かかりつけ医がいない場合、お子さまの場合は発達の相談ができる小児科や児童精神科での相談をおすすめします。大人の場合は精神科での相談が良いでしょう。

現在、感覚過敏の直接的な治療方法はありません。感覚過敏があることで学校生活や仕事に影響がある場合、その配慮に関する助言を診断書として出してもらうことが可能ですので、まずは病院でご相談ください。

学校に相談する

お子さまの場合、触覚過敏の困りごとの対策や対応策をすることで学校生活が少しでも快適になる可能性があるならば、ぜひ、学校に相談してみてください。「私服登校が可能か?」「体操服の代用品はないか」など、希望を相談することは大切です。

職場に相談する

触覚過敏の困りごとの対策や対応策をすることで労働環境が良くなり、快適に仕事ができる可能性があるならば、職場に相談してみてください。

かびんの森に相談する

感覚過敏研究所は、感覚過敏の当事者や家族が集まるコミュニティ「かびんの森」を運営しています。感覚過敏がある人、感覚過敏がある人の家族の方々など、同じ悩みを持っている仲間同士で情報共有ができます。相談を投稿すると、同じような経験がある方からアドバイスや意見をいただくことができるかもしれません。



もっと感覚過敏について知る

感覚過敏とは

感覚過敏についてまとめたページです。随時、内容を追加していきますので、ご覧ください。



感覚過敏研究所が触覚過敏にお悩みの方へできること

  • 感覚過敏に関する書籍

    感覚過敏に関する書籍

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    感覚過敏研究所の所長、加藤路瑛の著書。感覚過敏の当事者生と中高生の視点から感覚過敏に関する本を2冊出版しています。

  • 触覚過敏に関するコラム

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    触覚過敏に関するコラムを発信中です。参考にあるものがあれば嬉しいです。

  • 感覚過敏研究所オンラインストア

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    触覚過敏缶バッジをはじめ、触覚過敏の方に役に立つ商品を紹介・販売しています。

  • 感覚過敏コミュニティ「かびんの森」

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    触覚過敏缶バッジやシール、ダウンロードコンテンツを販売しています。触覚過敏の困りごとをさりげなく伝えたり、会話のきっかけにもなります。また、「つけておくと安心」というお守りのような存在にも なっています。

  • アパレルブランドKANKAKU FACTORY

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    触覚の過敏さで生地や服の縫い目、タグに痛みや不快感のある方のために、アウトシーム(縫い目外側)・タグなしをコンセプトにした衣類の開発・販売をしています。カームダウンパーカーはフードが大きく、刺激から逃れたい時に便利なアイテムです。感覚過敏の方のために細部にこだわった逸品です。

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    感覚を使ったゲームです。触覚を使ったゲームもあります。小さな変化に気がつける過敏さを少しポジティブに感じていただける体験をしていただけたらと思っています。

  • 病院が苦手な人のための感覚過敏相談シート

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  • 教育機関(学校)向け感覚過敏相談シート

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    感覚過敏研究所では、保護者の方がお子様の感覚過敏について学校に相談する時に使用できる「感覚過敏相談シート」を作成し、無料公開しています。どなたでもダウンロードしてご利用いただけます。

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    センサリーインクルーシブな社会に向けて、「センサリールーム」「カームダウンスペース」「クワイエットアワー」「センサリーマップ」の企画・提案・コンサルティングなどを行なっています。関連商品の販売を行なっています。

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