
感覚過敏があると、光や音の刺激で体調が悪くなったり、疲れやすくなるため外出を避けてしまうことも少なくありません。
多くの人が楽しむレジャーも、感覚過敏がある人にとっては、刺激の多い場所です。
今回は、2024年6月15日に福岡県にある水族館「マリンワールド海の中道」で開催されたイベント『聞いて、見て〜音を感じる水族館』を紹介します。
イベントの概要

イベント実施中は、館内のBGMや解説機器などの音が止まり、簡易的なカームダウンスペースも用意されました。
開催時間の18時になると、館内のBGMが消され、「館内ではお静かに」と書かれた案内板が表示されました。
イワシショー
一般的なショーとは違い、BGM・マイクの音声なしで行われました。ショーの開始前には音の演出がないこと、なるべく静かにしてほしいことについて、水槽近くにあるディスプレイで説明がありました。
イルカショー
イワシショーと同様に、BGM・マイクの音声なしで行われ、音の代わりに案内板を使って進行されました。
この取り組みは、センサリーフレンドリーであるだけではなく、イルカのジャンプや呼吸、魚が水の中で出す音など、生きものが発する音を楽しむことができるのが特徴です。


一般的なイルカショーでは、マイクを通じた音声でショーの流れが説明されますが、今回は「イルカショーはじまりです!」「いよいよクライマックス」など、ボードで説明がありました。

スケジュール
・18:00~
イベントスタート(館内のBGM、モニターからでる音がオフになり、『音が出ます』『音を聴こう』『暗くなります』などの掲示がされる)
・18:30~
外洋大水槽で光のイワシショー(BGM、MCの演出なし)
・19:30~
ショープールで夜のイルカショー(BGM、MCの演出なし)
・21:00
イベント終了・閉館
所長・加藤路瑛のレビュー
音や光を落としたセンサリーフレンドリーな時間帯を提供くださる水族館の事例が少しずつ増えてきます。マリンワールド海の中道の今回のイベントは、聴覚過敏で水族館をゆっくり体験できないというお客様の声から企画されたそうです。ご利用者の声を大切にしてくださる素敵な水族館だなと思いました。
実は、イベントの開催前に水族館から、カームダウンスペースの相談をいただいておりました。準備期間が短く、ご協力することができなかったのですが、もし次回、開催されることがありましたら、感覚過敏研究所でもお役に立てることがあればいいなと思っています。感覚過敏研究所カームダウンスペース専門ストアはこちらから。
引用/参考先
マリンワールド海の中道「【終了】「~聞いて、見て~ 音を感じる水族館」6月15日(土)限定開催!」
RKBオンライン「イルカの息づかいやトビハゼが跳ねる音”楽しむ「音を感じる水族館」 ”聴覚過敏でイルカショーが見られない”客の要望を受け実現 人工音を排除」
写真提供:ザハ@普通の浪漫砲使い
スポット情報
マリンワールド海の中道
〒811-0321 福岡県東区西戸崎18−28
https://marine-world.jp/
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