
感覚過敏があると、光や音の刺激で体調が悪くなったり、疲れやすくなるため外出を避けてしまうことも少なくありません。
多くの人が楽しむレジャーも、感覚過敏がある人にとっては、刺激の多い場所です。
今回は、休園日である2024年7月1日(月)に「上野動物園」で実施された『のんびり楽しむ動物園水族園 ドリームナイト&イブニング』で実施されたセンサリーマップを紹介します。
『のんびり楽しむ動物園水族園 ドリームナイト&イブニング』について
障害のあるお子さまとその家族を閉園後の動物園にご招待し、楽しいひとときをすごしていただくための国際的な活動「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」というものがあります。
この取り組みは、1996年にオランダのロッテルダム動物園で開始され、20年以上経った現在も世界各国で続けられています。
東京都立動物園・水族館が「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」の趣旨に賛同し、実施されたイベントが『のんびり楽しむ動物園水族園 ドリームナイト&イブニング』です。2024年6月には多摩動物公園、井の頭自然文化園、葛西臨海水族園にて、7月には上野動物園で開催されました。
上野動物園での取り組みについて
上野動物園の休園日に実施された取り組みで、身体障害・精神障害のあるお子様とその家族・介助者にも楽しんでもらえるよう、手話通訳のつくイベントの開催や、カームダウン・クールダウンスペースの設置などがありました。
日時:2024年7月1日(月) 14時~18時
開催場所:上野動物園の全エリア
対象:「身体障害者手帳」「療育手帳(愛の手帳)」「精神障害者保健福祉手帳」「小児慢性特定疾病医療受給者証」「通所受給者証」をお持ちのお子さまとそのご家族・介助者(申請中も可)
定員:3,500名(事前申し込み制・申し込み多数の場合は抽選)

当日の園内マップ
センサリーフレンドリーな取り組みについて
今回のイベントでは、上野動物園全域のセンサリーマップが公開され、園内2箇所にカームダウン・クールダウンスペースが設置されました。
センサリーマップ
センサリーマップとは、光や音、ニオイなどの五感情報をマップに表示させたもので、感覚過敏や感覚特性がある人は、その感覚情報を見て、その場所を回避したり、対策を考えてその場所に行くことができます。
上野動物園のセンサリーマップには、以下のマークが使用されています。
使用されているマーク
特に動物園では、ニオイの強い動物もいるため、ニオイが苦手で動物園に行きたくないと感じる方も少なくありません。センサリーマップにニオイに関する項目があることで、そうした方でも訪れやすくなるように工夫されていると感じました。

カームダウン・クールダウンスペース
カームダウンスペースとは、光や音などの感覚の刺激を遮断することで、感覚過敏によるストレスの軽減やパニック(メルトダウン)の回避やクールダウンに使用できるスペースです。
今回のイベントでは、弁天門付近と総合案内所付近に1箇所ずつ設置されました。(写真がないため、写真のご提供を募集しています)
引用/参考先
東京ズーネット「7/1 障害のあるお子さまとそのご家族をご招待「のんびり楽しむ動物園水族園 ドリームナイト&イブニング」を開催します──上野動物園(※募集終了しました)」
五感にやさしい取り組みの情報提供をお待ちしています
感覚過敏研究所では、カームダウンスペースやクワイエットアワー、センサリールームなど、感覚にやさしい取り組みを紹介するコラムを公開しています。しかし、感覚過敏研究所のメンバーだけでは、その全てをカバーするのは難しい状況です。
そこで、みなさんからの写真や動画のレポートを募集します!一緒に五感にやさしい社会づくりを目指しましょう!みなさんの協力をお待ちしています!