日本全国の空港で、カームダウンスペースの取り組みが広がっています。カームダウン・クールダウンスペースとは、光や音などの感覚の刺激を遮断することで、感覚過敏によるストレスの軽減やパニックの回避やクールダウンに使用できるスペースです。
このコラムでは、空港でのカームダウンスペースの必要性と、カームダウンスペースのある空港について紹介します。
空港でのカームダウンスペースの必要性
発達障害やパニック障害のある方の中には、感覚刺激によって体調不良を起こしたり、外出時に不安を抱える人が少なくありません。特に、空港はアナウンスや照明、人混みなど、感覚過敏のある人にとって負担の大きい場所です。
調査結果の概要
感覚過敏研究所が行った調査によると、外出を諦めた経験がある方は81.9%でした。特に、疲れやすさや頭痛・吐き気といった体調不良への不安や、休憩・避難場所が見つけられるかどうかへの不安が多く挙がりました。
そのため、感覚過敏のある方が外出先で音や光の刺激で疲れてしまった時の休憩場所や、体調不良になりそうな時の避難場所として、カームダウンスペースのニーズが高まっています。
カームダウンスペースのある空港
2024年11月現在、日本国内の12空港にカームダウンスペースが設置されていることを確認しています。
旭川空港(北海道神楽町)
場所 | 3階 展望デッキ付近 |
---|---|
利用条件 | 特になし |
新千歳空港(北海道千歳市)
場所 | 国内線ターミナルビル1階 中央 国内線ターミナルビル2階 3番と5番の間 国内線ターミナルビル2階 18番と19番の間 国際線ターミナルビル3階 67番と68番 |
---|---|
利用条件 | 特になし |
成田空港(千葉県成田市)
場所 | 第1ターミナル2階 南ウイング 国内線保安検査後 第1ターミナル2階 中央ビル 国際線保安検査後 第2ターミナル本館2階 国内線保安検査後 第2ターミナル本館2階 国際線保安検査後 第3ターミナル本館2階 保安検査前 第3ターミナル本館3階 国内線保安検査後 第3ターミナル本館3階 国際線保安検査後 |
---|---|
利用条件 | 特になし |
羽田空港(東京都大田区)
場所 | 第1ターミナル 2階 9番付近(保安検査後) 第1ターミナル 2階 17番付近(保安検査後) 第2ターミナル2階 59番付近(保安検査後) 第2ターミナル2階 61番付近(保安検査後) 第3ターミナル3階 110付近(保安検査後) 第3ターミナル3階 147付近(保安検査後) |
---|---|
利用条件 | 特になし |
中部国際空港(愛知県常滑市)
場所 | 第1ターミナル3階 国内線出発制限エリア 国内線乗り継ぎカウンター付近 第1ターミナル3階 国際線出発制限エリア 21番・22番ゲートの間 第2ターミナル2階 国内線出発制限エリア 国内線80番ゲート付近 第2ターミナル2階 国際線出発制限エリア 国際線73番74番ゲートの間 |
---|---|
利用条件 | 特になし |
伊丹空港(大阪府豊中市)
場所 | 2階手荷物検査通過後エリアの搭乗口17番ゲート付近(ヒルトン・グランド・バケーションズの隣) |
---|---|
利用条件 | 特になし |
関西国際空港(大阪府泉佐野市)
場所 | 国内線出発フロア 2階国内線保安検査場付近 国内線ゲートエリア 国内線保安検査場内 国際線ゲートエリア 3階本館 出国審査場 ATM付近 |
---|---|
利用条件 | 特になし |
高松空港(香川県高松市)
場所 | 旅客ターミナルビル2階 国内線出発ロビー もしもし電話付近 |
---|---|
利用条件 | 特になし |
松山空港(愛媛県松山市)
場所 | 2階 国内線搭乗待合室(手荷物検査場通過後エリア) |
---|---|
利用条件 | 特になし |
福岡空港(福岡県福岡市)
場所 | 国内線2階 保安検査場通過エリア南付近 国内線2階 5番ゲート付近 |
---|---|
利用条件 | 特になし |
阿蘇くまもと空港(熊本県益城町)
場所 | 旅客ターミナルビル3階 国内線保安検査場 通過後エリア 旅客ターミナルビル3階 国際線保安検査場 通過後エリア |
---|---|
利用条件 | 特になし |
那覇空港(沖縄県那覇市)
場所 | 国内線1階到着ロビー |
---|---|
利用条件 | 国内線1階のインフォメーションカウンターに問い合わせが必要 |
カームダウンボックスを広めたい!
カームダウンボックスは感覚刺激に強い反応をする方々にとって安心できる空間です。日本ではまだ浸透していない取り組みです。感覚過敏研究所SDI推進室としても、カームダウンボックスやセンサリールームの社会実装に力を注ぎたいと考えております。ご賛同くださる方、ともに社会実装に取り組んでくださる企業様・パートナー様を広く募集しております。設置をご希望される企業様からのご連絡もお待ちしております。
注)当記事は日本社会に向けて、クワイエットアワー、センサリールーム、カームダウンスペース、センサリーマップ、センサリーフレンドリーな商品の重要性をお伝えするものです。感覚過敏研究所SDI推進室が取り組んだ実績ではございませんので、ご了承ください。
五感にやさしい取り組みの情報提供をお待ちしています
感覚過敏研究所では、カームダウンスペースやクワイエットアワー、センサリールームなど、感覚にやさしい取り組みを紹介するコラムを公開しています。しかし、感覚過敏研究所のメンバーだけでは、その全てをカバーするのは難しい状況です。
そこで、みなさんからの写真や動画のレポートを募集します!一緒に五感にやさしい社会づくりを目指しましょう!みなさんの協力をお待ちしています!