リクルートが運営するアートセンターBUGでのカームダウンスペース【体験レポート】

株式会社リクルートホールディングスが運営するBUGで、4名のアーティストによる作品の展示やイベントが開催され、展示スペースにカームダウン・クールダウンスペースが設置されるというニュースを拝見し、感覚過敏研究所の所長・加藤が体験・視察に行ってきました。今回は、期間限定展示イベント「同伴分動態」に用意されたカームダウンルームの体験レポートです。

【イベント概要】
・イベント名:同伴分動態
・参加アーティスト>:うらあやか、小山友也、二木詩織、宮田明日鹿
・会期:2025年4月2日(水)– 5月6日(火)
・時間:11:00〜19:00 火曜休館 ※ただし5月6日(火)は開館します。
・入場料:無料
・主催:BUG(株式会社リクルートホールディングス運営)
・場所:東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー1F
・イベント詳細:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000156.000030084.html

カームダウンルームを見学!

開催場所は、東京駅八重洲南口徒歩1~2分の場所にある「グラントウキョウサウスタワー」1Fです。入口側には併設のカフェスペースがあり、そのまま奥に進むと展示エリアになっています。カームダウンスペースは、一番奥(上記写真の矢印部分)にありました。

奥に進むとピンクのカーテンが!こちらが、カームダウンスペースになります。カーテンをあけると、アウトドアで利用される折りたたみチェアが2脚と、カゴにイヤーマフが置いてありました。(ちなみに、カーテンもアーティストさんの作品とのことです!)

中に入ってみました。スペース的には大人ひとりがカームダウンできるくらいの広さで、小さいお子様連れの方もご利用いただけると思います。天井はあいているので、明るさはどうかな?と思いましたが、照明の光が直接あたることもなく、眩しくはありませんでした。

天井を見上げると、カームダウンスペース内に照明が入らないように工夫されていました!

現在、パーテーション型のカームダウンスペースを設置される施設も増えていますが、天井の照明の向きや光量・彩色などに考慮していない場所が増えており、それが私の懸念点の1つでもあるのですが、BUGでは丁寧に空間設計されていたように思います。

BUGはをカフェを併設しているため、奥の細長いスペースは飲食エリアになっています。今回は、この展示だけのために、壁に穴をあけカームダウンスペースを作られており、飲食エリアの一部を潰した形で設置されています。

ここに、イベント主催者様の意思を感じて嬉しくなりました。お金にならないカームダウンスペースを作るより、カフェの客数が増えるテーブルを置いた方が売上はあがるからです。それでも、期間限定の展示でカームダウン・クールダウンエリアを作ってくださったことに感謝申し上げます。

利用対象者・利用方法

このスペースは、イベント会場では「カーミングスペース」と名付けられ、来場者向けに配布している資料には「展示の刺激に疲れた方や授乳したい方、遊ぶ場所の欲しい小さなお子さまなど、どなたでもさまざまな用途でご利用いただけます。ご利用の際は、受付スタッフまで一言お声がけください。」と書かれており、スペースを使いたい方はスタッフに声をかければ、どなたでもご利用いただけるとのことです。

所長・加藤路瑛のレビュー

このカームダウン・クールダウンスペースは、感覚過敏のあるかたのカームダウンだけでなく、授乳や遊び場として多目的に使える空間でした。配布資料には上記のようにカーミングスペースについて書かれていますが、会場にはスペース前にもその説明が掲示されていなかったため、事前に知っている人しか使えない点が気になる点でした。

また、視察中、ちょうど利用された方がいらっしゃったのですが、出る時にカーテンを閉めてしまっていました。これでは「使用中」になってしまうので、入り口に利用方法や「使用中カード」などが掲示されているといいなと思いました。

通常は、スタッフさんに声をかけて利用することになっていますが、その点も伝わるかは気になる部分です。授乳したい場合は、カーテン前にスタッフさんが立って、他の人が開けないようにフォローする体制になっていました。想定通りご利用いただければ問題ない運用方法ですが、説明の掲示物がないので、想定外の利用方法をされる場合もあるかもしれません。

しかし、そうした課題を含めて改善していくことが重要で、カームダウンスペースは現時点では完全な運用マニュアルが存在しないため、ぜひイベント期間中に知見を蓄積していただければと思っています。

今回はイベント後には取り壊されるそうなので、それがとても残念でした。東京駅構内は人が多すぎて、かつ休める場所が本当に少ない場所です。八重洲口駅前もバスターミナルになっており、落ち着ける場所ではないので、常設でカームダウン・クールダウンスペースが設置されたら、安心して東京駅付近に外出できる方もいらっしゃると思います。

私の感想・意見は、視察に同行くださったリクルートのご担当者にもお伝えしています。リクルートさんは、イベントを主催する機会も多いでしょうし、これをきっかけに、カームダウン・クールダウンスペースのあるイベントや展示会が増えるといいなと思いました。

五感にやさしい取り組みの情報提供をお待ちしています

感覚過敏研究所では、カームダウンスペースやクワイエットアワー、センサリールームなど、感覚にやさしい取り組みを紹介するコラムを公開しています。しかし、感覚過敏研究所のメンバーだけでは、その全てをカバーするのは難しい状況です。

そこで、みなさんからの写真や動画のレポートを募集します!一緒に五感にやさしい社会づくりを目指しましょう!みなさんの協力をお待ちしています!

五感にやさしい空間事例に関するコラムポリシー

感覚過敏研究所では国内外のセンサリーフレンドリーな取り組みを体験レポートやケーススタディーとしてコラム掲載しております。

注意1:コラムの種類

当サイトの五感にやさしい空間事例に関するコラムには、以下の2種類があります。

  1. 取材や体験をもとにしたコラム
  2. 公式サイト・メディア・SNSなどで公開されている情報をもとにしたコラム

この分野の情報はまだ少なく、本サイトではできるだけ多くの有益な情報を発信することを目的としています。

注意2:取り組み事例へのレビュー

事例紹介では、体験者や当研究長スタッフや所長、有識者によるレビューとして、問題点や改善点を記載させていただく場合があります。これは取り組みを否定・批判する意図ではなく、五感にやさしい空間を社会に増やしていくための建設的な意見としてお伝えするものです。

当研究所では、掲載させていただくすべての取り組みに対し、深く感謝と敬意を抱いております。ご理解いただけますと幸いです。

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