大阪万博のカームダウンスペース一覧

2025年4月13日から10月13日まで開催予定の「大阪・関西万博」では、多くのカームダウン・クールダウンスペースが設置されています。

カームダウン・クールダウンスペースとは、光や音などの感覚の刺激を遮断することで、感覚過敏によるストレスの軽減やパニックの回避やクールダウンに使用できるスペースです。

このコラムでは、大阪万博でのカームダウンスペースの必要性と、設置されているカームダウンスペースについて紹介します。

大阪万博でのカームダウンスペースの必要性

発達障害やパニック障害のある方の中には、感覚刺激によって体調不良を起こしたり、外出時に不安を抱える人が少なくありません。

特に大阪万博のような大規模イベントは、音や光を活用した演出が多く、来場者も非常に多いです。感覚過敏のある人も安心して楽しめるようにするためには、カームダウンスペースが必要です。

調査結果の概要

感覚過敏研究所が行った調査によると、外出を諦めた経験がある方は81.9%でした。特に、疲れやすさや頭痛・吐き気といった体調不良への不安や、休憩・避難場所が見つけられるかどうかへの不安が多く挙がりました。

そのため、感覚過敏のある方が外出先で音や光の刺激で疲れてしまった時の休憩場所や、体調不良になりそうな時の避難場所として、カームダウンスペースのニーズが高まっています。

大阪万博のカームダウンスペース一覧

大阪万博の公式サイトを参考に、カームダウンスペースのある場所をマップにまとめました。

万博提供は9箇所、企業などのパビリオンは12箇所、シグネチャーパビリオンは6箇所、海外パビリオンは14箇所の合計41箇所に設置されています。

万博提供のカームダウンスペース

万博提供のカームダウンスペースは、公式のセンサリーマップにも掲載されています。

写真引用:大阪・関西万博

以下の表で記載する「タイプ」は、万博公式の情報を参考にしています。

1: 障害者駐車場


タイプ 個室

施錠されています。使いたい時は、周辺にいる警備員に伝える利用できるそうです。(警備員さんに確認済み)

2: 東ゲートアクセシビリティセンター内


タイプ 個室

万博公式センサリーマップでは、ゲート内なのか外なのか記載されていませんが、ゲート外のアクセシビリティセンター内にあります。このエリアに向かおうとすると、警備の人に呼び止められることがありますが、カームダウンスペースを知らない人が多いようなので、「アクセシビリティセンターに用事があります」と伝える方が良いです。

3: サービス施設 北東 屋内休憩所内


タイプ 設置型

案内所の中に設置されています。減光・減音はあまりありませんでしたが、案内所自体が人が少なく落ち着ける場所でした。

4: サービス施設 南東


タイプ 個室・設置型

トイレエリアにあります。目の前のベンチで休憩している人が多く、出入りするときに見られてします部分が、気になる点でした。周辺は人が多く、騒がしいですが、すぐ隣の案内所は人が少なく落ち着けます。

5: 休憩所4 森北東


タイプ 個室

トイレや祈祷室、授乳室エリアにあります。女性専用トイレや授乳室の導線なので、男性は入りづらいかもしれません。ピクトグラムはおしゃれです。

中は電球が1つだけあり調光できます。一番暗くするとかなり暗くできます。残念なのは、塗料のニオイが強く残っていました。会期中後半ならば、ニオイも抜けているかもしれません。

6: 休憩所3 森南東


タイプ 個室

Yobibo提供ルーム。静かな森内にあります。照明は調光だけでなく調色できるので、自分の好みの色にできます。狭いながらも、靴を脱ぎ、Yogiboのクッションで休むことができます。

7: 休憩所2 リング北西側


タイプ 個室

石のパーゴラがある休憩エリアにあります。シルバーのピクトグラムは少し分かりづらいです。木製ですが、木のニオイは気になりませんでした。カームダウンスペースは、奥の方にあり見つけにくいかもしれないなと感じました。

8: 休憩所1 リング南西側


タイプ 3個室

入り口すぐの場所に2部屋用意されています。空いていれば自由に使えます。空調も調光もできる部屋です。近くで、案内ロボットがずっと話している音がカームダウンスペース内にも聞こえるので、イヤーマフなどがあると安心できます。

訪問したときは閉鎖されていましたが、近くに子どもたちが遊べるエリアがあるため、元気な声が聞こえる可能性もあります。

この休憩エリアの一番奥に10名くらいで入れる大きなカームダウンルームがあります。(ジェンターレストイレゾーンの奥です。)カーテンでの仕切りなので、音は減音できませんが、暗めの部屋で休むことができます。

9: 西ゲートアクセシビリティセンター内


タイプ 3個室

こちらは②と同じく、会場外のアクセシビリティセンターに設置されています。

②のカームダウンスペースとほぼ同じようなものだと思います。明るさを調節することが可能です。

近くにインフォメーションセンターがあるため、外の話し声などが聞こえましたが、話の内容までは分からない程度でした。鍵は掛からず、部屋が使用中、または空室であることは扉の看板をスライドさせて伝えます。

企業などのパビリオン

10: 大阪ヘルスケアパビリオン


パビリオンの入場 予約のみ
1階のカームダウンスペースは自由
公式マップでの場所 E02

1階と2階にあります。空いていれば自由に利用可能。1階は大きな部屋で、家族でカームダウン可能。2階はリボーン体験に申し込んだ人でないと行けないエリアです。
調光と白色〜オレンジ色に調色可能。壁材は柔らかいクッション材。土足禁止ではないが、横になって休みやすい。

画像は1階のカームダウンスペースですが、2階にも設置されています。

11: 三菱未来館


パビリオンの入場 先着・予約
公式マップでの場所 E05

利用したい場合は、スタッフに声をかける必要があります。バリアフリーの利用者の通路で、静かな場所にありました。

12: パナソニックグループパビリオン「ノモの国」


パビリオンの入場 予約のみ
公式マップでの場所 E06

利用したい場合は、スタッフに声をかける必要があります。防音扉を採用しており、調色・調光できる照明、靴を脱いで横になれるのが特徴です。おそらく万博で、最高のクオリティだと思います。

13: 住友館

パビリオンの入場 予約のみ
公式マップでの場所 E07

14: 電力館 可能性のタマゴたち

パビリオンの入場 予約のみ
公式マップでの場所 E08

15: 日本館


パビリオンの入場 予約(予約なしの時間帯あり)
公式マップでの場所 E10

出口付近にカームダウンルームがありますが、施錠されていました。利用したい場合は、スタッフに声をかけることになるとは思いますが、案内表示はないため、どうやって利用できるか分からないかもしれません。

出口の導線ですが、人は少なく静かです。感覚過敏研究所であることを名乗り、見学を希望しましたが見学NGだそうで、中は確認できませんでした。(ご利用者の情報提供をお待ちしています)

16: ガスパビリオン おばけワンダーランド

パビリオンの入場 予約・一部自由
公式マップでの場所 W03

17: 飯田グループ×大阪公立大学共同出展館


パビリオンの入場 先着・予約
公式マップでの場所 W04

利用したい場合、スタッフの方に声をかけるよう記載があり、分かりやすいと思いました。

中は広く、ソファーや椅子が置かれています。調光もできるため、かなり暗くすることもできました。人が多い展示エリアにありますが、人の視線は展示物にいくため、出入りも人の目を気にせずできると感じました。

18: ORA外食パビリオン『宴~UTAGE~』


   
パビリオンの入場 自由
公式マップでの場所 W05

カームダウンスペースが見当たらずスタッフに確認したところ、カームダウンスペースの用意はあるものの、隣に万博提供⑦のカームダウンスペースがあるため、利用を希望する方には⑦を案内していると回答いただきました。

パビリオン内は飲食物の販売をしています。ニオイの強いものはありませんでしたが、かなり人が密集して混み合って騒がしいです。

19: BLUE OCEAN DOME


   
パビリオンの入場 予約・一部自由
公式マップでの場所 W06

自由に出入りできる場所があり、椅子があるので自由に休憩できるという意味でのカームダウンスペースとのこと。専用のカームダウンルームがあるわけではないそうです。(スタッフ確認済み)

ずっとモニターで映像が流れているので音はあるエリアですが、人の少ない場所で座ることができます。(時間帯によっては講演会などのイベントが実施されています)

20: GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION

   
パビリオンの入場 予約のみ
公式マップでの場所 W07

21: 未来の都市

   
パビリオンの入場 先着・予約
公式マップでの場所 L05

シグネチャーパビリオン

22: null²(落合P)


   
パビリオンの入場 先着・予約
公式マップでの場所 X04

体調が悪くなり、スタッフに声を掛け、カームダウンスペースを使わせていただきました。体調不良者の救護室も兼ねているのかなと感じました。ベッドと布団があり、そこで横になって休めるようになっています。

パイプ椅子が一脚用意されてて、同行者はそこに座ることができます。null²は演出に激しい光や音を伴うため、感覚過敏の方には向いてないパビリオンだと思いました。

23: いのちの未来(石黒P)

   
パビリオンの入場 予約のみ
公式マップでの場所 X02

24: Dialogue Theater –いのちのあかし–(河瀬P)


   
パビリオンの入場 先着・予約・一部自由
公式マップでの場所 X08

スタッフさんに確認したところ、パビリオン横にある「森の集会所」が該当すると言われました。座って休むことはできますが、カームダウンスペースというより、休憩所かなと思いました。

25: EARTH MART(小山P)

   
パビリオンの入場 予約のみ
公式マップでの場所 X07

スタッフさんに確認したところ、カームダウンスペースは救護室と兼ねており、同じスペースで休むことは可能とのことでした。

26: いのちめぐる冒険(河森P)


   
パビリオンの入場 予約・一部自由
公式マップでの場所 X06

27: いのち動的平衡館(福岡P)


   
パビリオンの入場 予約のみ
公式マップでの場所 X05

大きな音の出る展示です。展示エリアにカーテンでの仕切りでカームダウンルームがあるため減音は難しいですが、イヤーマフとアイマスクの貸し出しがありました。利用はスタッフに声をかける形かと思います。

また、展示エリア内で利用できるイヤーマフの貸し出しもしていました。

パビリオンに入る前に、パビリオン内施設の案内を渡され、そこにカームダウンスペースの案内がありました。

海外パビリオン

28: アラブ首長国連邦館


   
パビリオンの入場 予約・自由
公式マップでの場所 P18

カームダウンスペースは、スタッフに声をかけてから利用できます。(視察時は、カームダウンスペースの案内も見えなくなっており、出入りが封鎖されていました。)

防音素材を使った壁と、大きな円形のスペースが印象的です。椅子が1つだけ置かれていたのですが、装備品の用意が完全にできていないとスタッフさんがお話しされていました。

カームダウンスペースの外には大きなモニターがあり、映像を流していました。ただ、このパビリオン自体、空気や音の反響がコントロールされているのか快適な空間でした。

29: カナダパビリオン

   
パビリオンの入場 予約・自由
公式マップでの場所 P19

30: スイスパビリオン

   
パビリオンの入場 先着
公式マップでの場所 P22

31: トルクメニスタンパビリオン

写真提供:ひるこさん
   
パビリオンの入場 先着
公式マップでの場所 P35

32: 北欧館

   
パビリオンの入場 自由
公式マップでの場所 P36

33: クウェート国館

   
パビリオンの入場 先着・予約・自由
公式マップでの場所 P27

34: 米国パビリオン

   
パビリオンの入場 先着
公式マップでの場所 P27

35: ヨルダンパビリオン

   
パビリオンの入場 先着・先着
公式マップでの場所 P04

36: タイパビリオン

   
パビリオンの入場 先着・先着
公式マップでの場所 C12

37: オーストラリアパビリオン

   
パビリオンの入場 先着・先着
公式マップでの場所 C15

38: インドネシアパビリオン


   
パビリオンの入場 先着
公式マップでの場所 C16

39: バルト館(ラトビア&リトアニア)

   
パビリオンの入場 先着・自由
公式マップでの場所 S06

残念ながら、見当たらず。パビリオンの形状としてもカームダウンスペースは作れない気もしますが、スタッフルームなど裏にある可能性もあります。(スタッフが少なく、お忙しそうだったので、ヒアリングは控えました)

センサリーインフォメーション(知覚体験の案内)があり、音とにおいが出る展示であることを伝えています。

40: イタリアパビリオン also hosting the Holy See

   
パビリオンの入場 先着・予約
公式マップでの場所 S09

41: 英国パビリオン

   
パビリオンの入場 先着・予約
公式マップでの場所 S22

42: ルクセンブルクパビリオン


   
パビリオンの入場 先着
公式マップでの場所 C02

入場列の脇にあります。利用したい場合は、スタッフに声をかけることになると思います。なかなか良いカームダウンスペースですが、ドアを開けると、並んでいる人の列の前なので気まずいです。

エアコンあり。照明は調光できず、白色蛍光色のみでした。

情報をお持ちの方へ

感覚過敏研究所でも、大阪万博のカームダウンスペースについて調査を進めていますが、まだまだ情報が足りない状況です。

カームダウンスペースのある詳細な場所や、写真などの情報をお持ちの方は、ぜひ以下のフォームからご連絡ください。みなさんからの情報提供をお待ちしています!

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