
観光庁では、バリアフリー対応や情報発信に積極的に取り組む姿勢のある観光施設を対象とした「心のバリアフリー認定制度」があり、感覚過敏に関する項目もあります。
このコラムでは、心のバリアフリー研修動画で紹介された、観光庁・心のバリアフリーでの感覚過敏の配慮について紹介します。
心のバリアフリー認定制度について
観光庁は2020年、バリアフリー対応や情報発信に積極的に取り組む姿勢のある観光施設を対象とした「観光施設における心のバリアフリー認定制度」を創設しました。
認定されるためには、以下3つの項目を満たす必要があります。
①施設のバリアフリー性能を補完するための措置を3つ以上行い、ご高齢の方や障害のある方が施設を安全かつ快適に利用できるような工夫
②バリアフリーに関する教育訓練を年に1回以上実施
③自社のウェブサイト以外のウェブサイトで、施設のバリアフリー情報などを積極的に発信
①の施設のバリアフリー性能を補完するための措置としては、身体障害・視覚障害・聴覚障害への配慮だけでなく、感覚過敏への配慮なども含まれます。
研修動画で紹介された感覚過敏の配慮
心のバリアフリー認定制度のサイトには、ご高齢の方や障害のある方への対応に関する研修用資料が掲載されています。その中でも、博物館・ホテル向けの研修動画で、感覚過敏への配慮について紹介されていました。
博物館
博物館での感覚過敏への配慮として、以下の内容がありました。
実際の事例として、東京国立博物館のセンサリーマップ(光や音、ニオイなどの五感情報をマップに表示させたもの)や、クワイエットアワー(音や光を抑えた時間帯のこと)も紹介されていました。
ホテル
ホテルでの感覚過敏への配慮として、以下の内容がありました。
施設でのセンサリーフレンドリーな事例
観光庁で紹介されている事例に加えて、公共施設やホテルなどにおけるセンサリーフレンドリーな取り組みを紹介します。
九州国立博物館

九州国立博物館では、カームダウン・クールダウンスペース「あんしんルーム」や、センサリーマップ「あんしんマップ」が用意されています。
全国各地の空港

2025年5月現在、日本国内の15空港にカームダウンスペースが設置されていることを確認しています。
夢洲駅

大阪・関西万博の最寄り駅である夢洲駅には、カームダウンスペースが設置されています。
ホテルグリーンチェーン

宮城県仙台市で全13店舗を展開するホテルグリーンチェーンでは、すべてのホテルにカームダウンスペースが設置されています。
心のバリアフリー認定制度への登録
心のバリアフリー認定制度への登録を目指し、感覚過敏への配慮を検討している施設の方は、ぜひ感覚過敏研究所にご相談ください。カームダウンスペースの設置や環境の調整など、ぜひお手伝いさせていただきたいと思っています。
引用/参考先
ホテルグリーンチェーン「宮城県発行の事例集に松月産業の環境整備1㌻掲載―障害者差別のない社会へ」
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注意2:取り組み事例へのレビュー
事例紹介では、体験者や当研究長スタッフや所長、有識者によるレビューとして、問題点や改善点を記載させていただく場合があります。これは取り組みを否定・批判する意図ではなく、五感にやさしい空間を社会に増やしていくための建設的な意見としてお伝えするものです。
当研究所では、掲載させていただくすべての取り組みに対し、深く感謝と敬意を抱いております。ご理解いただけますと幸いです。
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