保育現場で聴覚過敏の苦痛を軽減する5つの方法

感覚過敏研究所 ウェブ制作室ライターの「うち」です。

今回は、私が感覚過敏であることで、保育現場で1番困ることと、どうやってしのいできたかをお伝えします。

この記事を見ているあなたは、感覚過敏の困り事があるのでしょうか。
それとも、あなたの身近にいる大事な誰かが感覚過敏なのでしょうか。

この記事を書いているライター「うち」は感覚過敏です。特に聴覚過敏がひどく、保育現場で長年「気持ち悪い」と思い続けながら働いてきました。その中で、少しでも気持ち悪さを減らし、なおかつ、子ども達も落ち着いて生活できる方法を見つけてきたので、体験談を交えてお伝えします。

保育現場で聴覚過敏の苦痛を軽減する方法とは

まず、私は聴覚過敏であることで、特に次のような音に苦痛を感じています。

  • 紙類、特に段ボールが擦れる音。たとえて言うと、黒板や磨りガラスを引っ掻いた音で、頭の中を包まれているような気持ち悪さがあります。
  • マーカーやマジック、シャープペンの硬い芯などで紙に何かを描く音。先程の紙が擦れる音と同様に気持ち悪いです。
  • 建て付けの悪いドア、サッシの音。これも、紙が擦れる音と同様に気持ち悪いです。
  • (調子が悪いときに限り)甲高い声。頭の中を撫で回すように感じます。

これらの苦痛を軽減するためには、次のような方法があります。

  • 自然の中で外遊び中心の保育をする
  • 他の先生と連携をとる
  • 素材や画材の工夫をする
  • 穏やかな話し方にする
  • とにかく周りに伝える

自然の中で外遊び中心の保育をする

苦痛を軽減するための方法1つ目は、自然の中で外遊び中心の保育をすることです。

幸い、勤務先が室内で製作活動ばかりするような園ではなかったので、外遊びを中心にすることができました。外遊び中心だと、紙の音もドアやサッシの音も聞かずにすみます。遊具の音が気になることもありましたが、苦痛という程ではありませんでした。走り回り、虫を追いかけ、砂場で遊んでいると、苦痛を感じずに働くことができます。

もちろん、自由遊びをしていると、室内で遊びたい子ども達もいます。そのような子ども達を放っておくわけにはいきませんので、次の方法を実践してきました。

他の先生と連携をとる

苦痛を軽減するための方法2つ目は、他の先生と連携をとることです。

保育者として、みなさん当り前にしていることだと思います。私が屋外で身体を動かし、体力を使う遊びを得意とし、室内の遊びは、他の先生が細やかに対応する。このように、役割を分担した働き方を、自然と多くやってきました。

「担任が1人だと、そんなことできない。」ということを言われることもありますが、相担の先生や、異年齢クラスの先生と連携をとればできます。

そうは言っても、室内で遊ぶ子ども達の相手を全くしないわけにはいきません。そのために次の事を考えてきました。

素材や画材の工夫をする

苦痛を軽減するための方法3つ目は、素材や画材の工夫をすることです。

私が1番苦手なのは、段ボールが擦れる音ですが、使い古した段ボールだと、そこまで苦痛を感じないことに気付きました。そこで、隣のクラスや小学生が使った後の段ボールをもらって使うことにしました。

  • 大量の段ボールを使うことができて子ども達も嬉しい
  • 苦痛が軽減されて私も嬉しい
  • 段ボールを簡単に手に入れることができる
  • 使い終わった人は廃棄する手間が減る
  • 廃棄物が少なくなる
  • 使い古した段ボールを立てるのに工夫が必要で考える力がつく

など、私が段ボールの音を苦手とするために、結果的にWin-Winどころか良いことずくめになりました。

また、マーカーやマジックに関しては、紙ではなくビニールやプラスチックに描く、紙には絵の具を中心として描く、布に描くなど、様々な画材と素材の組み合わせを試してきました。もちろん、私の苦痛のためというよりも、子ども達がいろいろな経験をするためです。

そしてもう一つ、子ども達のためにすることで、結果的に聴覚過敏による苦痛を和らげてくれたのが次の方法です。

穏やかな話し方にする

苦痛を軽減するための方法4つ目は、穏やかな話し方にすることです。

「静かにしなさい。」などと言ったところで、子ども達が静かになることはありません。それで静かになっているとしたら、よほど恐い先生なのでしょう。担任が替わったら元に戻ります。穏やかな話し方をしていれば、子ども達も穏やかになります。たとえ私の調子が悪かったとしても、子ども達が甲高い声を出さなければ、気持ちが悪くなることはありません。

そして、ここまで紹介してきたことの基になる、1番大事なことが次の方法です。

とにかく周りに伝える

苦痛を軽減するための方法5つ目は、とにかく周りに伝えることです。

実はこの方法を、私は十分にできていません。恥ずかしながら、「感覚過敏」という言葉を知ったのは、近年のことです。それまでずっと、自分が感覚過敏だと思わずにやってきました。

そして、周りの先生達どころか、妻に対しても、まともに伝えることができていませんでした。幸い(?)なことに、ここ数年で病気になったため、「調子が悪いときにはそっとしておこう」と思ってもらえるようになっています。

しかし、保育をする上で、周りの理解と協力は無くてはならないものです。今回紹介した、得意なことによって仕事を分担することや、連携をとることなどがスムーズになるためにも、誤解を受けないためにも、できる範囲で感覚過敏のことを周りに伝えてみましょう。

まとめ

今回紹介した、保育現場で聴覚過敏の苦痛を軽減する5つの方法は次の通りです。

  • 自然の中で外遊び中心の保育をする
  • 他の先生と連携をとる
  • 素材や画材の工夫をする
  • 穏やかな話し方にする
  • とにかく周りに伝える

できるところからで良いので、試してみてくださいね。

関連記事

Yogiboを購入して感覚過敏研究所を応援する

Yogibo公式オンラインストアにて、クーポンコード「KBNL」を入力してYogiboを購入すると、感覚過敏研究所に、ご購入金額の5%が広告費として支払われます。Yogiboの快適すぎて動けなくなる魔法のソファをご購入される際は、ぜひ、Yogibo Social Goodクーポンをご利用ください!

【応援方法】

1. Yogibo公式オンラインストアで商品を探しカートに入れる

2. 決済画面のクーポンコードの欄に4桁のクーポンコード「KBNL」を入力し「適用する」ボタンをタップ

3. 購入手続きを完了してください

4. ご購入後、SNSなどで「応援購入したよ!」と投稿いただけると嬉しいです!

感覚過敏に関する
悩みごとがある⽅や
ご家族さまへ

感覚過敏に関する対策商品やサービスなど、感覚過敏研究所がご提供できるものを一覧にして紹介しております。

感覚過敏のある⽅を⽀援したい
企業・⾏政・教育関係者・
福祉関係者さまへ

感覚過敏を中心とした合理的配慮やニューロダイバーシティの取り組みを計画・実行中の企業や関係者への情報提供や協業、共同研究などのご案内です。

ページトップへ戻る