感覚過敏とは?感覚過敏の種類・原因・解決方法など

感覚過敏ってどんな意味?

「視覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」などの、諸感覚がとても敏感になっている状態を「感覚過敏」といいます。

たとえば、視覚がとても敏感であるときは「視覚過敏」、聴覚がとても敏感であるときは「聴覚過敏」という名前がついています。五感の他にも、平衡感覚の過敏や、温度感覚の過敏もあります。

感覚過敏がない人にとってはなんでもないことが、感覚過敏がある人にとっては、とても辛かったり時には生活していく上で困難になったりすることがあります。

たとえば、LEDの光が突き刺さるように感じたりエアコンの室外機の音で気持ち悪くなったりするなどです。しかし、同じ感覚過敏を持っている人でも、感じ方はそれぞれで、本人にしか分からないこともあります。

感覚過敏の種類

感覚過敏には、さまざまなものがあります。同じ感覚過敏をもっている人でも、人によってなんともないものもあれば、寝込むほど辛いものもあります。ここでは、感覚過敏にはどのようなものがあるか、そして、それぞれの感覚過敏でどのように感じることがあるかの一例を挙げていきます。

感覚過敏の一例

視覚過敏

視覚がとても敏感であることを「視覚過敏」と言います。視覚過敏のある人は、強い光、色、ゴチャゴチャしている場所などが苦手な場合があり、たとえば、次のように感じることがあります。

  • LEDの
  • 光が刺さる感じがする
  • 屋外に出ると頭が痛くなる
  • 白い紙に書いてある字が読みづらい
  • 人が多いところに行くと具合が悪くなる

聴覚過敏

聴覚がとても敏感であることを「聴覚過敏」と言います。聴覚過敏のある人は、日常生活で当たり前にある、なんでもない音が苦手な場合があり、たとえば、次のように感じることがあります。

  • 蛍光灯や時計の秒針の音が絶えず聞こえる
  • 目の前の人の声と周りの声が同じように聞こえて分からなくなる
  • 大きな音に恐怖を感じる
  • 子どもの声や赤ちゃんの泣き声が、頭の中に刺さる感じがする

嗅覚過敏

嗅覚がとても敏感であることを「嗅覚過敏」と言います。嗅覚過敏のある人は、臭気ばかりではなく、良い香りも苦手な場合があり、たとえば、次のように感じることがあります。

  • 電車内での体臭や香水、化粧品、衣類などのニオイで気分が悪くなる
  • 食べ物や給食のニオイで頭痛がする
  • トイレの芳香剤の香りに苦痛を感じる
  • 柔軟剤の香りが鼻についたり体調を崩したりする

味覚過敏

味覚がとても敏感であることを「味覚過敏」と言います。口に入れるものに関しての過敏であるため、味だけではなく食感への過敏も含めて、味覚過敏と言われることもあるようです。味覚過敏のある人は、たとえば、次のように感じることがあります。

  • 脂肪分や苦みなどを異常に濃く感じる
  • 特定の食べ物に嘔吐するほどの気持ち悪さがある
  • 「パサパサ」「ベチャッ」など、食感によって受け付けないものがある
  • 砂やゴムなど、食べ物ではないものを食べている感覚になる

触覚過敏

触覚がとても敏感であることを「触覚過敏」と言います。触覚過敏のある人は、身体に触れるいろいろなものが苦手な場合があり、たとえば、次のように感じることがあります。

  • 人に触れられることが苦手で、側に寄られるだけでも逃げたくなる
  • 服のタグ、縫い目、ゴムなどが触れるとチクチクしたりかゆくなったりする
  • 重さ、窮屈さ、素材の感触などにより、服や靴下を身に付けるのが苦痛
  • 雨や風が当たると不快感や痛みがある

五感以外の感覚過敏

五感の他にも、さまざまな感覚があります。それらの感覚過敏のある人は、五感の過敏と同じように、他の人には分からない、いろいろなものが苦手な場合があり、たとえば、次のように感じることがあります。

  • 熱さに敏感すぎて、ぬるい風呂にしか入ることができない(温度感覚)
  • 温度差で気持ちが悪くなる(温度感覚)
  • ブランコや遊園地の乗り物に乗るのが異様に怖い(平衡感覚)
  • 僅かな傾きで気持ち悪くなったり乗り物に酔いやすかったりする(平衡感覚)

「深部感覚(固有受容性感覚)」という、聞き慣れない感覚もあります。「軽い運動でも異常に疲れる」「ちょっとした物を持つのが辛い」ということを感じている人は、単に筋力や疲労の問題ではなく、この感覚の影響なのかもしれません。

その他の過敏

感覚過敏ではない過敏、原因が分からない過敏など、他にもいろいろな過敏があります。その中からいくつかを紹介します。

HSP(HSC)

生まれながらにして高度な感受性を持った人のことをHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)と呼びます。子どもの場合HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)と言います。次の特性(分かりやすい言葉に言い換えています)をもつとされています。

  • 感じたことを深く受け止めやすい
  • 刺激を受けやすい(これが感覚過敏となります)
  • 他人に共感、感情移入しやすい
  • 他人や環境の細かい変化に気付きやすい

化学物質過敏症

化学物質過敏症は、塗料や接着剤、煙草などに含まれる化学物質によって、吐き気や粘膜の痛み、頭痛、皮膚の痒みといった様々な症状を引き起こし、重篤な状態に至る場合もあります。

身近なものでは、柔軟剤や芳香剤に入っている化学物質が頭痛やめまいの原因となっています。

感覚過敏って病気なの?

感覚過敏は自閉症スペクトラムなどの発達障害の方に見られる症状の1つですが、感覚過敏があるからといって発達障害というわけでもなく、逆に発達障害の人の全てに感覚の過敏性があるわけでもありません。

また、発達障害以外にも

  • うつ病
  • 認知症
  • 脳卒中やてんかんなどの脳の病気
  • 交通事故などによる脳へのダメージ
  • HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)

などが原因としてあげられます。

感覚過敏の解決方法

感覚過敏は病気ではないので直接的な治療薬や治療方法はありません。過敏さからするストレスや精神的なものを和らげる薬を処方される場合もありますので、どのような状態が辛いかを主治医にご相談ください。

現時点では医学的な解決方法がないため、問題解決型の商品やサービスなどで対処すます。現在、感覚過敏研究所で取り組んでいることを中心に紹介します。

感覚過敏 困っていることを周囲に伝える

感覚は目に見えず、他人と共有できないため、感覚過敏のつらさや困りごとは理解されることは難しいです。ご自分で困っていること、助けて欲しいことを伝える努力が必要になります。その手助けになるのが、感覚過敏研究所で作成した感覚過敏マークです。現在は、缶バッジにして販売しています。

感覚過敏缶バッジの写真

缶バッジだけでなく、キーホルダーやスタンドにして飾れる3WAY。カバンにつけたり、ランドセルにぶら下げたり、会社のデスクに並べたり・・・使い方は自由です。

聴覚過敏や視覚過敏でオンライン会議やオンライン授業がつらい

もし伝えることができるなら、事前に主催者や会社・学校に感覚過敏でパソコンによる視覚情報、聴覚情報がつらいことを伝えられると双方にとってよいでしょう。疲れた時は休憩させてもらう、会議は短時間ですませるなど対策案を考えて相談しましょう。

感覚過敏研究所では、視覚過敏や聴覚過敏でオンラインが辛いことを可視化させ、伝えるツールとして、オンライン背景画像を作成し、無料公開しています。

触覚過敏でマスクがつけられない時

口周辺や耳の触覚の過敏さによってマスクの着用が難しい方もいらっしゃいます。そのような方のために、感覚過敏研究所では、「マスクをつけられない人のための意思表示カード」と「せんすマスク」を提供しています。

マスクをつけられない人のための意思表示カード

意思表示カードは感覚過敏研究所のサイトで無料公開しています。ダウンロードし、印刷して切って、ネームホルダーに入れるなどアレンジをして、どなたでもご利用いただけます。

この意思表示カードはたくさんのテレビや新聞などのメディアでとりあげられ、多くの方から反響がありました。現在も、たくさんの方にご利用いただいています。

肌に触れない「せんすマスク」

せんすマスク報道

マスクがつけられない人の飛沫対策として、肌に一切触れない「せんすマスク」を感覚過敏研究所で発案・販売しています。

感覚過敏で苦手なことが多すぎて病院が怖い

五感をフルにつかいやす病院受診・歯科受診は感覚過敏の人にとってはつらいことの1つです。苦手なだけでなく、病院受診を避けて我慢してしまう人もいます。病院の受付で感覚過敏での困りごとを相談できる「相談シート」を無料公開しています。

このシート、意外なくらいに病院の受付で受け取ってくれますので、まずは相談してみましょう。

感覚過敏の対策方法を相談したい

感覚過敏研究所では、感覚過敏の当事者とそのご家族が参加できるコミュニティーを運営しております。参加費は無料です。コミュニティーで相談しあったり、対策グッズの情報交換などをしています。

感覚過敏研究所では、これからも引き続き、感覚過敏がある人が暮らしやすくなるように商品・サービスの開発をしていきます。アイディアなども募集しています

感覚過敏のある方の声

感覚過敏がある人の声(1)
感覚過敏がある人の声(2
)
感覚過敏がある人の声(3)
感覚過敏がある人の声(4)

まとめ

このように感覚過敏にはさまざまなものがあります。感覚とは、他人と比較したり共有できないため、自分の感覚が過敏であるのか気がつかないまま苦しんでいる方もいらっしゃいます。日常生活を送る上で、困難さを抱えているようでしたら、感覚過敏といってもよいでしょう。

感覚過敏は病気ではなく、発達障害や脳の病気などで出る症状の1つです。診断が出るものではありませんが、学校や職場なので合理的配慮を希望され、診断書などが必要な場合は一度、医師に相談することをおすすめします。

日常生活の工夫によって、過敏さとうまく付き合っていける場合もあります。感覚過敏研究所が運営する感覚過敏コミュニティー「かびんの森」では、たくさんの方が悩みを相談したり、工夫を紹介しあっていますので、ぜひご参加ください。感覚過敏当事者やご家族は無料で参加できます。