こんにちは。感覚過敏研究所の所長、加藤路瑛です。マスク着用における航空会社とのトラブルも時々、ニュースになっています。みなさんは、どのようなお気持ちでニュースをご覧になったでしょうか?
航空会社のマスク着用ルールは?
飛行機に搭乗の際は、マスク着用がルールとなっています。これは航空会社独自のルールではなく、航空業界の統一ルールです。日本の航空会社で作る「定期航空協会」ではトラブル回避のため業界統一ルールを定めています。
- 搭乗時はマスク着用がルール
- ただし、マスク着用が難しい乗客は、フェイスシールドやハンカチで対策
- それでも難しい場合は、事前に係員に相談
となっています。ですので、感覚過敏などでマスクやフェイスシールドをつけることが難しい場合は、理由や事情を丁寧に伝えれば、多くの航空会社は搭乗を拒否をすることはありません。
事情を説明せず、または係員の質問に回答しないなどの状況がある場合、搭乗を拒否されることがあるだけで、けっして、理由もなく航空会社は搭乗拒否をしないので、感覚過敏など特性や障害、病気が理由でマスクが着用できない場合、搭乗できます。
国としての方針
厚生労働省は発達特性でマスク着用ができない人に対して、国民の理解を呼びかける発表をしてします。
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14297.html (マスク等の着用が困難な状態にある発達障害のある方等への理解について-厚生労働省)
マスク着用なしで搭乗した場合
このように、感覚過敏など事情があればマスク着用を強制されることはなく、配慮いただけます。しかしながら、客室乗務員はマスクをしていない乗客に声をかけるルールになっていますので、マスクなしで搭乗すれば、複数の客室乗務員から声をかけられることになります。その度に、説明するのは搭乗者も客室乗務員も大変なことです。
さらに、いくら理由があってマスクなしで搭乗でいいとしても、自分の隣の席の人がマスクをしていないと、不安ですし、怖くなってしまう人もいることでしょう。
このように、マスクをできない搭乗者とその周辺のお客様のために、スカイマークでは、感覚過敏研究所作成による「マスクがつけられません」シールを、申し出があった搭乗者にお渡しする運用を2020年12月15日からスタートさせました。
このシールの良い点は
- マスク着用ができない理由を周囲に伝えられる(見えない理由の可視化)
- マスク未着用に関して、スカイマークが認知済みの乗客であることがわかる(周囲の乗客の不安を減らす)
- マスク未着用の乗客に何度も声かけをしなくていい(乗客・スタッフ両方の負担が減る)
などがあげられます。
本来は、このような感覚過敏マークは自発的に身につけるもので、航空会社から強制されることはあってはいけません。スカイマークさんも、これは強制ではなく、マスクがつけられない相談があった人にシールは渡すけれども、掲示は任意だとしています。
マスクを着用しないことで、周囲の乗客とトラブルになることもありますので、乗客全体の安心のためにも、現時点では、シールの掲示は1つの対策としては有効です。
スカイマークでこのシールをもらう方法
チェクイン時にマスクがつけられないことを相談ください。事情や健康状態などの質問に回答後、シールをもらうことができます。
ただし、シールが欲しいために、マスクがつけられないと嘘をついて搭乗することのないようにお願いします。シールが必要な方は感覚過敏研究所のネットショップでも購入できます。(スカイマークのロゴはありません)
感覚過敏研究所の「マスクがつけられません」シールと缶バッジ販売中。
マスクがつけられない時の飛沫対策
感覚過敏などが理由で、マスクやフェイスシールドの着用が難しい場合、タオルやハンカチで口元をおさえることができるなら、利用できるといいでしょう。
また、感覚過敏研究所では、肌にいっさい触れない「せんすマスク」も販売中しています。あわせて、ご利用ください。参照:https://kabin.life/archives/service/sensumask
また、感覚過敏研究所では、マスクがつけられない意思表示カードを無料公開してています。このカードは印刷してどなたでもご利用いただけます。