センサリールームとは、音や光、ニオイなどの五感の刺激を少なくし、聴覚・視覚など感覚過敏の症状がある人やその家族が安心して過ごせる空間・部屋の総称です。その中でも、カームダウンスペースとは、光や音などの感覚の刺激を遮断することで、感覚過敏によるストレスの軽減やパニック(メルトダウン)の回避やクールダウンに使用できるスペースです。
感覚過敏研究所では、2023年3月8日から12日まで、有楽町マルイにて期間限定ショップを出店しました。感覚過敏の対策商品や感覚過敏向けアパレルブランドKANKAKU FACTORYの販売の他に、センサリールーム・カームダウンスペースの体験展示などが行われました。
ストア内は、スピーカーをオフにし、館内のBGMが流れないクワイエットアワーを実施するなどと、感覚過敏を持つ方でも過ごしやすい空間設計を心がけました。
またセンサリールームの一角にカームダウン・クールダウンスペースを用意し、感覚過敏などで体調が悪くなりそうな場合に、お休みいただけるようにしました。このカームダウン・クールダウンスペースは、感覚特性のある方だけでなく、どなたでもご利用いただけます。
センサリールームの照明は、少しずつ色が変化していくため、ココロ落ち着くお部屋の色、安心できる照明の色を探しやすいようになっています。
実際に体験した方に、心地よい照明の色についてのアンケートも実施しました。
所長・加藤路瑛のレビュー
有楽町マルイのセンサリールームの体験展示、今回は2回目になります。前回は、パナソニックさんの協力のもと、バルブタワーを体験いただきました。センサリールームの場所はもともとはバリアフリー試着室でしたが、壁がタイル張りだったり、黒いフレームの額縁がたくさんディスプレイされていたりして、視覚的には落ち着けないという声もありました。
そんな課題を認識しながら、今回は空間創造事業を行う乃村工藝社さんが参画くださいました!壁を白い布で覆ってタイル壁や額縁を隠しながら、今回は落ち着く照明の色を体験頂きながら、参加者の心地よい照明の色についても簡単なアンケートも行うという話になりました。
「何色の照明が落ち着きますか?」という質問に、上記の写真のように200名の方が回答くださいました。黒いシールが感覚過敏がある方、シルバーのシールが感覚過敏がない方の回答です。なかなか興味深い結果になったと思っています。
今後のセンサリールームの計画の参考にさせていただきたいと思っています。
1つ懸念点は、前回のバブルタワーや今回の色の照明が「センサリールーム」というわけではありません。センサリールームも定義は曖昧で、言葉だけが先行している部分があります。
感覚特性に限らず、それぞれの人が自分にとって快適な空間や環境で過ごすことができる場所。それがセンサリールームだと思ってます。
センサリールームを会社や施設でやってみたいなという方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡ください!
文:いうと