【このページの要点】
2020年1月、感覚過敏研究所を立ち上げました。このページでは13歳で感覚過敏研究所を立ち上げ、所長に就任した加藤路瑛が感覚過敏研究所を立ち上げたきっかけや理由、そして自身の感覚過敏のことや、感覚過敏に関して目指す世界などを「所信表明」の形式でお伝えします。感覚過敏を理由に「今」をあきらめなくていい社会を実現します。
※このページは所長・加藤が感覚過敏研究所を立ち上げた2020年1月の思いを掲載しています。現在と考えが違う部分もあるかと存じますが、当時の生の声として修正せず公開しています。
この度、感覚過敏研究所を立ち上げることにしました所長の加藤路瑛です。よろしくお願いします。
自己紹介
僕は12歳、中学1年生の時に起業し、株式会社クリスタルロードの取締役社長をしています。実際に12歳では法人登記に必要な印鑑証明がとれないため、親が代表取締役、子どもが取締役社長という形で法人設立しました。僕はこの方法を「親子起業」と名付け、親子起業の良さや可能性について伝えています。
会社を立ち上げた後は、こどもが挑戦するときに資金調達できる仕組みを作ったり、親子起業やこどもの起業支援をしていました。
ある日、父に言われました。「せっかく会社という箱を自分で持っているなら、路瑛が困っていることを解決するための会社にしたらどうか?同じように困っている人はたくさんいるはずだから」
困っていること・・・実はたくさんあるのです。
- 食べることが苦手ですが人に理解されません。食べられるものも少ないし、臭いも苦手だし、できれば食べ物を目にしたくない。だから、友達や仕事でファミレスやカフェに行くのもとても苦手です。特に臭いで気持ち悪くなります。
- レストランだけでなく、給食が終わったあとの教室の臭いや駅を降りた瞬間にわかるその街の食べ物や排気ガスが混ざった臭いが本当に苦手。体調が悪くなります。
- 人が数人で騒いでいる声が苦手です。教室や雑踏での人のにぎやかな声で頭痛や吐き気がします。ヘッドフォンで音楽を聞いて防御しています。
- 衣服が重くて着ているのがつらくなります。デニムのような硬い感じの素材も窮屈に感じます。
- 読み書きが苦手です。
しかし、苦手なものに向き合うのはしんどいです。特に、食べ物のにおいが苦手なのに、それを解決する商品を作るとなれば、その臭いに向き合う必要がある。それは苦痛が大きくて、僕はいやだと思っていました。
過敏に生きることはあきらめなのか?
しかし、ある日、僕は気が付いてしまうのです。僕は年齢やお金を理由に「今」をあきらめない社会をつくろうとビジョンを掲げて活動しています。中学生ということもあり、特に子どもを理由に何かをあきらめなくていい社会を作りたいと考えてきました。
僕は、聴覚・嗅覚・味覚などが敏感であることで、できていないことがたくさんあります。それは、仕方がないことだと思っていたけれど、それは諦めているということなのではないかと思い始めたのです。
「今」をあきらめないで生きよう
そう言っている僕が、実は感覚過敏を理由にあきらめて生きていた・・・
僕にとって衝撃的な気づきの瞬間でした。そして、その勢いで以下のようなツイートをしたのです。
この時点で、感覚過敏のコミュニティーを作って、そこで感覚過敏の困りごとを解決していく商品を作っていくことを考えていました。(名前などは決めていませんでしたが)
感覚過敏の人が快適にくらせる社会に
そして、ツイートして一晩で集まった25名のメンバーでTwitterのDMでグループを作って、どんな感覚過敏を持っているのか、どんな工夫をして生活しているのかを話していました。
話したい内容が多すぎて、すぐにチャットツールのDiscordに移動しました。メンバーには中高生もいますし、感覚過敏の子どもを持つ親も参加していて、それぞれの視点で話ができてとても面白いし参考になります。
こうして、感覚過敏研究所を立ち上げることになりました。
感覚過敏の人が悩みを相談できるコミュニティーを作るだけでなく、快適にくらせるような商品作りや社会りに取り組みます。研究所として取り組みたいことは、以下です。
- 感覚過敏の人が相談できるコミュニティーを作る
- 感覚過敏の困りごとを解消する商品やサービスの商品化
- 感覚過敏のこと知ってもらう活動
- 最終的にはテクノロジーで解決する
小さいころからの思いを今
僕は小さい頃からロボットエンジニアに憧れていました。でも、プラモデルなどを作りながら「僕は手先が不器用でロボット作りにはむいていない」と感じていました。そして、小学校高学年になった頃は理科の実験を実況するYouTuberになりたいと考えていました。
中学に入ってから、実験道具を買い始め、化学の勉強もはじめました。そんな時に、化学のカードゲーム「ケミストリークエスト」に出会い、そのカードゲームは小学生の社長が考案したと知り、起業に興味を持ちはじめます。
何も作れない僕が起業してやれることを試行錯誤で取り組んでいました。やってみたいと思ったことをまずは挑戦してみました。
そして今、僕は感覚過敏研究所を作りました。小さい頃に考えていた、ロボットを作ることや、化学の実験をすること・・・なんとなく、今、その原点に戻っているような感じもあり、僕はワクワクしています。
知恵、人、お金、いろんなものが僕には足りません。ぜひ、力を貸してください。僕の一歩で、日常生活に困っている人の暮らしを少しでも快適にできるなら、僕は一歩でも二歩でも前に進みたいのです。
感覚過敏研究所 加藤路瑛