![成田空港のカームダウンスペース](https://kabin.life/wp-content/uploads/2022/05/narita-airport.png)
成田国際空港のカームダウン・クールダウンスペースを紹介します。
成田国際空港第1、第2、第3ターミナルの国際線、国内線それぞれにカームダウン・クールダウンスペースが設置されています。(搭乗手続き後のエリアになります)
![成田空港のカームダウンスペース](https://sdi.kabin.life//wp-content/uploads/2022/05/narita-airport-1024x576.png)
カームダウン・クールダウンスペースとは
光や音などの感覚の刺激を遮断することで、感覚過敏によるストレスの軽減やパニック(メルトダウン)の回避やクールダウンに使用できるスペースです。日本国内の公共施設においては、「カームダウン・クールダウン」と表記され、規定のピクトグラムを掲示することになっています。
カームダウン・クールダウンスペースを体験!
成田空港第3ターミナルの国内線のエリアに設置されているカームダウン・クールダウン室は階段下にひっそりと設置されています。周囲を気にせずに利用できるよう、出発ゲートへ向かう通路上ではなく少し離れた場所に設置されています。逆に言うと、あらかじめ存在を知らなければ気が付かないデメリットもあります。
![](http://crystalroad.weblike.jp/kabin_new/wp-content/uploads/2022/05/narita-airport3.jpeg)
感覚過敏研究所所長、センサリーD&I推進室の加藤がボックスを体験しました。
![成田空港のカームダウンスペース](https://sdi.kabin.life//wp-content/uploads/2022/05/20220515031159-1024x768.jpeg)
椅子は2人分、家族連れなら3−4名入れるくらいの大きさです。
![成田空港のカームダウンスペース](https://sdi.kabin.life//wp-content/uploads/2022/05/20220515031218-1024x768.jpeg)
ロールカーテンを下ろすことができます。
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防犯上の観点から膝の高さくらいまでしかロールカーテンを下ろせません。光は入りますので、真っ暗という感じではありません。
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これくらいの明るさがあるので、完全に光を遮断することはできませんが、周囲の視線などを気にせずクールダウンすることができます。成田空港第3ターミナル国内線のカームダウン・クールダウンは人通りのない場所(通常の動線ではない場所)のため静かに利用できます。
![成田空港のカームダウンスペース](https://sdi.kabin.life//wp-content/uploads/2022/05/narita-airport-1024x576.png)
逆に、第3ターミナルの国際線のカームダウン・クールダウンは、親子で入室するケースを想定し、その間、兄弟姉妹やご家族が近くにいることができるよう待合室やキッズスペースの横にあります。目につきやすい場所なので、利用しやすさはありますが、場合によっては周囲の音が騒がしく聞こえることもあるでしょう。イヤーマフやヘッドフォンなども活用して利用されると良いでしょう。
利用したい時は?
特に予約や使用許可は不要ですので、空いていればご利用いただけます。
設置場所の詳細は成田国際空港のホームページにて。
成田国際空港ホームページ:https://www.narita-airport.jp/jp/bf/service_info14
所長・加藤路瑛のレビュー
カームダウンボックスに実際に入ったのは今回の成田国際空港さんのカームダウンボックスがはじめてでした。
第3ターミナルの国内線にあるカームダウンボックスは、手荷物検査から搭乗口の動線からは外れた場所にあります。階段下ということもあり、この場所に気づける人は残念ながらいないでしょう。あらかじめ、成田空港にカームダウンボックスが設置されている情報を持っていないとなかなかアクセスできません。その社会認知はこれからの課題だと思います。人通りのない場所にありますので、利用する人の精神的な安全性は確保できるのではと思いました。
第3ターミナルの国際線は、待合室の子ども向け広場の真横という場所です。お子様のご利用には良いなと思いますが、子どもの騒ぐ声が苦手な聴覚過敏の方には落ち着けない場所になるかもしれません。設置場所は一長一短です。
カームダウンボックスの認知が低いなかで、一般の人には「よくわからないもの」として風景になってしまったり、「よくわからないけど近づいてはいけないもの」のように距離を置きたい存在になってしまう可能性もあるなと現地を見て感じました。
どこにどのような形状でどのような伝え方で、カームダウンボックスを存在させるかは正解はありませんが、もう少し日本社会の中では実証実験が必要な段階に感じます。そのような実証実験のお手伝いを感覚過敏研究所でやっていけたらと思います。
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注)当記事は日本社会に向けて、クワイエットアワー、センサリールーム、カームダウンスペース、センサリーマップ、センサリーフレンドリーな商品の重要性をお伝えするものです。感覚過敏研究所SDI推進室が取り組んだ実績ではございませんので、ご了承ください。
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五感にやさしい取り組みの情報提供をお待ちしています
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