今回は、茨城県つくば市にある国立大学、筑波大学の障害学生支援を行う「DACセンター」に設置されている、「アクセシブルスタディルーム(ASルーム)」を紹介します。
DACセンターとは?
DACセンターとは、筑波大学に設置されている「ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター」の略称であり、「ダイバーシティの推進、障害のある学生に対する修学支援及び学生のキャリア形成支援の機能を有機的に連携させることにより、学生の自立推進と意思決定能力を成熟させるとともに、障害者支援における合理的配慮の提供と全学構成員のダイバーシティの意識向上を進め、本学の社会的責任の達成を目指」すことを目的に設置された組織です。障害のある学生のみならず、ジェンダーマイノリティ等、困りごとを抱える学生や、また一般学生の就職や進路等の相談に対応する機関となっています。
本記事で紹介する「アクセシブルスタディルーム」は、DACセンターの「アクセシビリティ」部門が管轄しています。
アクセシブルスタディルームとは?
アクセシブルスタディルームは2つの部屋に分かれており、「共同自習室」と「1人用自習・休憩室」の2種類あります。両方とも完全予約制で、予約した人のみ1日90分以内の使用が認められています。
共同自習室
学習塾の自習室とよく似た学習室です。間仕切りのある机が設置されており、注意が散漫にならないような配慮がされています。昨今の情勢で盛んに行われているオンライン授業にも対応しており、無線LANを利用することができます。3人まで同時利用ができます。
なお、この部屋では学生が勉学に集中できるよう、イヤーマフやデジタル耳栓等、勉学に集中するのに必要な物品の貸し出しがされています。貸し出されている物品の一覧はこちら。
1人用自習・休憩室
こちらは共同学習室とは異なり、1人で利用するための部屋です。授業で疲れた気分を落ち着けたり、最適な環境に自分で調節して勉強に集中したりすることができます。
部屋には勉強机のほか、ベッド、感覚を落ち着けるための道具、利用者は部屋で流れる音、部屋の色を自由にカスタマイズできます。また、土足厳禁の部屋でもあるので、カーペットに寝そべることもできます。
ちなみに障害や学生生活、就活に関する書籍も置いてあるとのこと。この部屋を利用していて、気になった学生は読んでみてはいかがでしょうか?
利用対象者は?
筑波大学の学生で、DACセンターでの支援を利用している方のみが利用できます。一般公開はしていないとのことです。
センサリールームを広めたい!
センサリールームやクワイエットアワー、センサリーマップは感覚刺激に強い反応をする方々にとって安心できる空間・時間・ツールです。日本ではまだ浸透していない取り組みです。感覚過敏研究所SDI推進室としても、センサリールームの社会実装に力を注ぎたいと考えております。
ご賛同くださる方、ともに社会実装に取り組んでくださる企業様・パートナー様を広く募集しております。
注)当記事は日本社会に向けて、クワイエットアワー、センサリールーム、カームダウンスペース、センサリーマップ、センサリーフレンドリーな商品の重要性をお伝えするものです。感覚過敏研究所SDI推進室が取り組んだ実績ではございませんので、ご了承ください。
引用/参考先
筑波大学DACセンター(ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター)ホームページ
筑波大学DACセンターアクセシビリティ部門「アクセシブルスタディルーム」
NEWSつくば「感覚過敏に対応 心地よく学び休める場所 筑波大が公開」2021.12.14.
(文:きさらぎ みずき)