自己紹介
はじめまして。ライターのmomoです。
私は会社員として働いていましたが、感覚過敏を含む病気になり、働き続けることが難しくなってしまいました。その為会社を退職し、今は療養生活を送っています。
今回は私自身がどんな感覚過敏の症状を抱えているかや、生活の中での工夫、感覚過敏になって感じたり考えたりしたことなどを、書いていこうと思います。
感覚過敏の症状
・触覚過敏(肌全体)
指先や手のひらが1番過敏で、物に触ると「痛い」と感じてしまいます。特に紙やビニール袋が苦手です。
また、服の摩擦がとても苦手です。一般的な人が柔らかいと感じる素材でも痛いと感じてしまいます。ほとんど着れる素材が無いため、洋服選びには本当に苦労します。
同じ商品でも製造時期や工場による微妙な手触りの違いが分かるくらいなので、購入するときは棚にある商品を全部触って1番好みの感触の物を選びます。その時は側からはとても変な人に見えると思います笑
・日光過敏
日に当たると肌がヒリヒリと痛くなったり蕁麻疹が出たりします。
・味覚過敏
ザクザクとした食感のものや、香辛料や炭酸飲料などの舌に刺激がくるもの、濃い味付けのものなどを食べると、口の中が痛いと感じます。
・化学物質過敏
新しい家具やリフォームしたての建物の匂いなどを嗅ぐと、喉が痛くなります。
・視覚過敏や聴覚過敏
普段はあまりありませんが、疲れていると光や音が辛くなる時があります。
・関節や靭帯などの痛み
歩いたり、同じ姿勢で座り続けたり、肘や手首などの関節を動かすと痛みが出てしまいます。
私の病名は何?
お医者さんには「線維筋痛症」と診断されています。でも自分では「痛覚が過敏」もしくは「痛覚が異常」と表現するのが、1番しっくりくると思っています。
普通の人には何ともないような刺激が私の体には大きな刺激として感知され、そしてそれを全て「痛い」と認知してしまう。
更に、そのきっかけとなった刺激自体が無くなっても、「痛い」という感覚だけが残り続けてしまう。もしくは以前よりもほんの少しの刺激を受けただけで、すぐ痛いと感じるように身体が変化してしまう。これが体の至る所で起こっている。そう考えると、様々な事の辻褄が合うように思うのです。
参考リンク:線維筋痛症に伴う痛み(東京八重洲クリニック / 東京医科大学兼任教授岡 寛 先生:疼痛.jpより)
過敏になったきっかけ
これらの症状は生まれつきでは無く、社会人2年目から徐々に始まりました。
社内でかなり忙しい部に配属されていて、深夜残業や休日出勤が当たり前の毎日となっていました。当時の私は与えられた仕事をきちんとこなすことが最優先で、そのために自分のプライベートや体を犠牲にする事も、当たり前だと思ってしまっていました。痛みがあっても、「仕事が落ち着いたら考えよう」と思って身体の声を無視し続けてしまった結果、限界ラインを超えてしまったのだと思います。
生活の中で行なっている工夫
書ききれないので、今回は触覚過敏への対策の一部を紹介してみます。
・自分が着られる服の生地で手袋を作る
・携帯はタッチペンを使う
・髪を洗う時はシャワーブラシを使う
・縫い目が気になる服は裏返しで着る
・動いた時摩擦が起きにくいゆとりのあるデザインのものを選ぶ
・自分が着られるものを見つけたら、沢山ストックを買っておく
・髪の毛は首がチクチクしないように内側はすかない
・自分に合う日除けグッズを揃える
・とにかく保湿
・部屋の湿度も50%以上をキープ
・服が擦れるような動きをしない
・冷たい水を触ると痛みが少しリセットされる
などなど…。
感覚過敏になった当初はどこでアイテムを買えるかなどの知識もありませんでしたし、生きていくだけで精一杯で、おしゃれなどを楽しむ余裕もありませんでした。でも最近やっとコツを掴んできて、おしゃれも楽しめるようになってきました。
本当は周りの女の子と同じ様に自由におしゃれをしたいと悲しくなってしまう時もあるけれど、今の自分にも出来ることを探して、楽しむようにしています。
私でも着られる可愛いお洋服はとても貴重で、何年もかけて、少しずつ集めています。クロゼットは私の宝物が詰まった魔法の空間です。
参考:
感覚過敏課題解決アパレルブランド「KANKAKU FACTORY」
感覚過敏の辛さは体だけじゃない
感覚過敏の当事者になり強く思うことは、
私たちは身体的な「痛み」だけでなく、精神的な「痛み」とも戦っている、ということです。
治るのか分からない、先の見えない戦い。
確立した治療法が無く、正解が無い中で進んでいく不安。痛い所が増えていく恐怖。周囲の人に何度も「出来ない」「行けない」「食べられない」と言わなくてはならない罪悪感。病気になる前には出来ていたこと・好きだったことが、出来なくなってしまった悔しさ。常に痛みが出ない範囲に自分の行動をセーブし続ける大変さ。周囲に病気を理解してもらえない孤独感。将来への不安。
私は病気になった事で、それまで自分のアイデンティティだと思っていた事が全部出来なくなってしまいました。
「自分らしさを表現して生きること」が吉とされている最近の風潮を感じるたび、それができないことにどうしようもない悲しさを覚えたりもします。
ライターになった想い
そんな辛さもありますが、いまは自分の心と体を1番大切にして、無理をせず、楽しく生きることを心がけています。新しい趣味も沢山見つけました。体や心の声をどうしたら上手く聞き取ることが出来るか、日々模索を続けています。
そんな中でよく思うのが、「同じ過敏を抱えている人たちと、悩みや知識を共有出来る場所があったら良いのに」という事でした。周りに感覚過敏について理解のある人がいなかったり、ネットなどで情報も見つけにくい環境は、精神的にとてもストレスが大きく、治癒への影響もあると思います。
感覚過敏研究所の当事者コミュニティー「かびんの森」はそういった事が出来る可能性を沢山秘めていると思います。
感覚過敏に苦しんでいる人たちが、少しでも生きやすくなるような、役に立つ記事を沢山書いていけたら良いなと思います。
未熟者ではありますが、皆さんと一緒に学んでいけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。