こんにちは。感覚過敏研究所サポーター&ライターのコニちゃんです。今回は感覚過敏の当事者やその家族のコミュニティーで詠まれた短歌を勝手に部門ごとに分け、すべて紹介していきたいと思います。
感覚過敏の当事者やその家族のコミュニティーとは
感覚過敏研究所では、感覚過敏の当事者やその家族のコミュニティー『かびんの森』を運営しています。
短歌のはじまり
「かびんの森」にはチャンネルが複数あり、その中の「感覚過敏美術館」というイラストや写真などメンバーの創作物を投稿しあえるチャンネルで始まった短歌です。感覚過敏の当事者や家族ならではの世界観が表現されています。第一巻の記事はコチラです。(参照:感覚過敏短歌第一巻)
今回はそんな感覚過敏短歌の第二弾。
加藤路瑛所長の「よかったら、感覚過敏短歌第2弾やりませんか?」の一言で始まりました。十日ほどの募集期間でしたが、なんと三十五もの歌が詠まれました。この短歌を私の独断と偏見により部門ごとに分け、皆様にお届けしていきたいと思います。
感覚過敏あるある短歌の紹介 (敬称略)
聴覚過敏部門
セミの声 夏の訪れ 喜べど 耳には辛く イヤマフ探す(加藤路瑛)
雨音は 好きなのに 集中 邪魔する相手 一滴音(かれん)
そしゃく音 トイレ歯磨き 生活音 こういう音が 地味にしんどい(ミィたん)
周りの音 洪水みたい 苦しいな 肝心の会話が一切聞こえず(こすもす)
部活動 選択肢なく 消去法 よく入ったな 吹奏楽部(ミィたん)
雨音を 避けて室内 逃げたけど エアコンからは 逃げられず(celica)
遠出する 楽しみよりも 先に立つ 過敏の対策 不安な心 (celica)
ハラハラ部門
うるさい場、 長くいるとぐったりだ。 家に帰ると即バタリ(すふぃにゃん)
むこうから 赤ちゃん来たぞ お願いだ 泣くな泣くなと 手に汗握る(らどん)
おまわりさん サイレン鳴らし 取り締まり 悪事せずとも 毎度逃げ回る(GB)
食器音 カチャリカチャリが ナイフのよう 心臓ヒヤリ それでも家事する(celica)
味覚過敏部門
好きなもの 頼んでと言われ メニュー見て 毎回頼む 同じものを(ミィたん)
今日は父 はりきり料理 助かるね 最後の胡椒に ちょっと待って(celia)
新しい 仲間に会食 誘われた 嬉しいけれど 食べるものなし(加藤路瑛)
飽きたから アレンジ品 食卓に 同じがいいの ぴえんな私(かれん)
旅に出て 土地の名物きになれど コンビニ見つけて ほっと落ち着く(加藤路瑛)
ざるそばに ラーメンやきそば やきうどん つけめんパスタ 娘の主食(らどん)
栄養の バランス考え コンビニへ 心の栄養 パーフェクトなり(GB)
食べものの 匂いに誘われ 行く人と 必死の逆行 いざsafety zone(GB)
好き嫌い 偏りすぎて 尿蛋白 (うね)
視覚過敏部門
サングラス 手放せないの 雨の日も 時折のぞく 眩しい光 (tukumin33)
眩しいな ノートに教科書 黒板も!?(こすもす)
空が好き。 太陽のみえない空が好き。 眩しくない方 探し見上げる(celica)
触覚過敏部門
着物だめ 化粧もできない 困ったな どうなるのかな 成人式(こすもす)
汗ばむと 触覚過敏 酷くなる 脱ごうとしても いたく不快だ(celica)
遅刻する 家を出ないと まずいけど 履ける靴下 見つからないよ(加藤路瑛)
綿探し 水ぶくれ 足にでき 旅出て3年 1着見つけ(かれん)
コロナ部門
コロナ前 自主的自粛 送る日々 生活様式 何も変わらず(GB)
マスクして 手抜きメイク するらしい 一度もできぬ マスクもメイクも(GB)
薄けれど 小さくても 引で見て 手に持ってても マスクはマスク(かれん)
感覚過敏グッズ部門
ノイキャンを 見つけるまでに 約3年 もう戻れない 一生の宝(究万(くま))
リニューアル?やっと出会えた 一品ぞ 無くなる前に またまとめ買い(GB)
ノイキャンの 技術進歩で 変わるかも 聴覚過敏の 未来明るし(らどん)イラスト化
AIよ その賢さで 見せてくれ 感覚過敏の ない日常を (GB)
店員が 感覚過敏を 知っていた おすすめ商品 最高、幸せ!(究万(くま))
まとめに代えて
いかがでしたでしょうか。私はミィたんさんの「好きなもの 頼んでと言われ メニュー見て 毎回頼む 同じものを」を読んだとき、「それな!!!!」と声に出して言ってしまいました。
また、所長の「旅に出て 土地の名物きになれど コンビニ見つけて ほっと落ち着く」では、自分の行動パターンを言い当てられた気になりました。この歌では食事に対する過敏が表れていますが、聴覚過敏に関しても避難所的に落ち着く場所になっているなと思います。
感覚過敏は人によってそれぞれ違いますが、感覚過敏短歌をたくさんの人に詠んで頂いたことで、感覚過敏を持つ人やその家族の日常生活が少しでも伝わったら幸いです。今回の募集は七月という季節でしたが、もし次回開催されるのであれば秋、冬の感覚過敏あるあるを詠っても面白いかもしれません。乞うご期待です!
また、この記事を読んで感覚過敏についてもっと知りたいと思われた方は研究所の他の記事もぜひぜひチェックして見てくださいね。