【ケーススタディ】埼玉県立 川の博物館の感覚過敏に配慮されたサービス(センサリーマップやカームダウンボックスなど)

感覚過敏研究所では、クワイエットアワーセンサリールームカームダウンスペースセンサリーマップセンサリーフレンドリーな商品などの国内外の事例を紹介しております。多くの事例をお伝えしながら、目に見えない感覚におけるダイバーシティ&インクルージョンを考えるきっかけになればと考えています。

今回は、埼玉県立 川の博物館の感覚過敏に配慮したサービスについて紹介します。

また埼玉県立 川の博物館の感覚過敏に配慮されたサービスについては、読売新聞オンラインの記事でも紹介されています。

埼玉県立 川の博物館
〒369-1217 埼玉県大里郡寄居町小園39
https://www.river-museum.jp/

センサリーマップの特徴

センサリーマップとは、光や音、ニオイなどの五感情報をマップに表示させたもので、感覚過敏や感覚特性がある人は、その感覚情報を見て、その場所を回避したり、対策を考えてその場所に行くことができます。

川の博物館のセンサリーマップには、音と光の刺激が強い場所、座れる場所が掲載されています。

川の博物館には、音を使った展示がいくつかあり、センサリーマップにはその場所が掲載されています。座れる場所も掲載されているため、感覚過敏などによって疲れやすい方でも訪れやすいように、工夫されているなと感じました。

このセンサリーマップは公式サイトで掲載されているため、誰でも閲覧できます。PDFファイル版も用意されているため、印刷して持っていきやすいと感じました。

センサリーマップのある場所

川の博物館には屋外展示などもありますが、センサリーマップが用意されているのは本館のみです。

その他、感覚過敏に配慮したサービス

川の博物館は、センサリーマップ以外にも感覚過敏にやさしいサービスを用意されています。

また施設紹介のマップには、サングラス・イヤーマフの貸し出し場所や、カームダウンスペースのある場所も掲載されています。

現在の取り組みが行われる前の試行では、画像のようにイヤーマフ・サングラスの貸し出しが行われており、現在も1階のイヤーマフ・サングラスの貸し出しコーナーで借りることができます。

イヤーマフ・サングラスで対策をすることで、音のなる展示や、視覚過敏があると太陽が眩しく感じることもある屋外展示をより楽しめると思います。

同じく現在の取り組みが行われる前の試行では、画像のようにカームダウンスペースがあり、現在も館内に1つカームダウンスペースが用意されています。

カームダウンスペースとは、音や光、ニオイなどの五感の刺激をやわらげ、感覚過敏の方のストレスを緩和したり、感覚刺激によるパニック(メルトダウン)を落ち着かせることができるスペース(避難所)です。

感情を落ち着かせられることはもちろん、そのための場所があるという安心感も得られるため、とても良い取り組みだと思いました。

文:いうと

引用/参考先

埼玉県立 川の博物館「バリアフリー情報」

埼玉県「埼玉県立川の博物館におけるクワイエットアワーの試行」

所長・加藤路瑛のレビュー

埼玉県は感覚過敏に関する取り組みに積極的な自治体という認識があります。「感覚過敏のある人に対する優しい社会環境づくり」 というページも作成されて発信されています。センサリーマップの国内事例が少ない中で、県立の博物館の取り組みが他の自治体の公共施設にも広がっていけばいいなと思います。センサリーマップの作成は当事者視点も必要ですので、是非、感覚過敏研究所にご相談いただければと思います。(マークのご提供も可能です)お問い合わせはお気軽に!!!

センサリーマップ作成支援やワークショップ

センサリーマップの作成支援やワークショップ支援も行っています。センサリーマップ用のマークのデザインデータの提供や、ワークショップに使えるセンサリーマップステッカーなども扱っています。

所長のひとこと

jiei kato

感覚過敏研究所 所長・センサリーフレンドリークリエイター
加藤 路瑛

自分の困りごとである「感覚過敏」の課題解決に向き合い、2020年1月に感覚過敏研究所を設立。感覚過敏がある人たちが暮らしやすい社会を作ることを目指し、商品・サービスの開発・販売、感覚過敏の研究や啓発に力を注いでいる。所長挨拶はこちらから

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