こんにちは、あいこです。大学生として、「カームダウン空間(落ち着くための場)」を研究テーマにしています。
私自身、感覚過敏があり、音や光、人の気配などの刺激が重なると、日常生活や試験の場面で強いつらさを感じることがあります。
大学受験期には、試験内容以前に「環境そのものがつらい」と感じる場面が多くありました。
その経験から、つらさを我慢するのではなく、環境を調整することで本来の力を発揮しやすくすることの大切さを実感してきました。
この記事では、共通テストの合理的配慮(受験上の配慮)について、申請の流れと準備を時系列で整理します。
制度の説明にとどまらず、「次に何をすればいいか」が分かる地図として、参考にしてもらえたらと思います。
はじめに
共通テストで「合理的配慮を申請する」と聞いたとき、多くの人が、最初にこんな不安を感じるのではないでしょうか。
- 本当に申請していいのか分からない
- どこに、何を、いつ出せばいいのか分からない
- 迷惑だと思われないか心配
- 「前例がない」と言われたらどうしたらいいのか
近年は「共通テスト 合理的配慮」「共通テスト 別室受験」などの情報を探しても、制度の全体像が見えにくく、当事者や家族が一人で悩みを抱えがちです。このコラムでは、申請の流れを時系列で整理し、「今どの段階で、次に何をすればいいか」が見える形にまとめます。
このコラムで分かること
- 申請時期(第1期/第2期)と、準備を始める目安
- 必要な書類と提出方法(学校経由・郵送の考え方)
- 審査・通知から試験当日までの流れ
- 大学個別入試(2次試験)で再申請が必要になる点 0l>
1. これは誰のためのコラムか
このコラムは、次のような方を想定しています。
・感覚過敏がある受験生・元受験生
・発達障害がある子どもの受験を支える家族
・学校・塾・支援機関で関わる支援者
「申請したい気持ちはあるけれど、何から始めればいいか分からない」そんな状態の人が、一歩目を踏み出すための整理を目的としています。
2. 大学受験における合理的配慮の全体像
共通テストの合理的配慮(受験上の配慮)は、「特別扱い」をお願いする制度ではありません。
感覚過敏や発達障害があることで生じる不利を調整し、本来の学力を正しく測る条件を整えるための制度です。
大学入学共通テストでは、大学入試センターが「受験上の配慮」として、別室受験、時間延長、補助具(イヤーマフ等)の使用などを制度として明示しています。
なお、私が受験した当時と現在とで、制度の基本的な考え方は大きく変わっていません。
一方で、近年は申請手順や書類の説明が整理され、「何を出せばよいか」「どこに確認すればよいか」が分かりやすくなってきています。
そのため、具体的な手続きについては、必ずその年度の大学入試センターの公式情報を確認することが重要です。
3. 共通テスト合理的配慮|時系列フロー

まず申請時期は「第1期」と「第2期」の2回あります
大学入試センターでは、共通テストの合理的配慮申請について、第1期と第2期の2つの申請時期を設けています。
・第1期:7月上旬〜8月下旬
・第2期:9月上旬〜10月上旬
どちらの時期でも申請は可能ですが、第1期で申請した場合は、9月下旬までに審査結果が通知されるため、共通テストの出願期間中に結果を確認できるメリットがあります。
大学入試センターでは、審査に時間がかかる配慮内容もあるため、可能であれば第1期での申請が望ましいと案内しています。
※具体的な期間は年度ごとに異なるため、必ず公式情報を確認してください。
① 高校在学中(高3春〜夏)
この時期にやるべきことは、まだ「書類を出す」ことではありません。
・困りごと(音・光・人の気配など)を具体例で整理する
・医師の診断書(所定様式)について、通院先に相談する
・学校(担任・進路指導)に「配慮が必要である」ことを共有する
校内での配慮実績がある場合は、後の説明材料になります。ただし、実績がなくても共通テストの配慮申請は可能です。
② 学校に相談し、申請をお願いする(第1期/第2期)
学校に「共通テストで合理的配慮を申請したい」と伝え、申請手続きを進める段階です。
・「前例がない」
・「本当に必要?」
と言われることもありますが、重要なのは 「配慮がないと本来の力が出にくく、つらさが大きくなる」 という説明をすることです。
③ 書類作成・提出(第1期:7〜8月/第2期:9〜10月)

提出先は大学入試センターですが、実際の窓口は在籍している高校です。
令和8年度試験から志願者はWeb出願ですが、受験上の配慮申請はWebではできず、申請書類を大学入試センターへ郵送する必要があります。
郵送は、学校で取りまとめて送っても、申請者が個人で送っても差し支えありません。
・受験上の配慮申請書
・医師の診断書・意見書(所定様式)
・学校長名での書類(該当する場合)
※学校長名での書類が必要かどうかは、在籍校や申請内容によって異なります。
診断書については、大学入試センターが案内している所定の様式(指定フォーマット)に沿って、主治医に記入してもらう形が一般的です。
※私が受験した当時は、大学入試センターの「受験上の配慮案内」に付属の様式(記入欄)に、主治医が記入する形でした。
また、診断書に加えて、障害者手帳のコピーも提出しました。
診断書が「現在の状態」を示す資料であるのに対し、障害者手帳は「状態が継続的であること」「これまでの支援の経緯」を示す補足資料として、審査側の理解を助ける役割を果たしたように感じました。
④ 審査・通知(第1期:〜9月下旬/第2期:秋〜12月頃)

大学入試センターで審査が行われ、結果が通知されます。
審査結果等の通知書は、原則として在学している学校に送付され、学校から志願者本人に配付されます。
※通信制課程の卒業見込み等、一部の対象者は志願者本人に直接送付されます。
・別室受験
・時間延長
・イヤーマフ等の使用
など、認められた配慮内容が示されます。
⑤ 共通テスト本番(1月)
通知された配慮内容に基づいて受験します。
この際、試験場には事前に配慮内容が共有されていますが、念のため通知書の内容を把握しておくと安心です。
補助具は事前申請されたもののみ使用できます。
【体験談】二次試験・個別試験での合理的配慮
私自身、大学受験の際、共通テストに加えて、大学の二次試験や滑り止め大学の奨学生試験でも、
それぞれの大学に合理的配慮を申請し、別室で受験しました。
共通テストで配慮が認められていても、大学の個別試験では、その配慮が自動的に引き継がれるわけではありません。
多くの大学では、募集要項に基づき、受験生が個別に申請し、大学ごとに審査が行われます。
これは、多くの大学が公式に案内している運用であり、合理的配慮は「入試ごと・大学ごとに判断される」仕組みになっています。
4. 大学個別入試(2次試験)で注意すること
・共通テストと同じ配慮が受けられると思っていた
・大学ごとに申請時期・方法が違う
・配慮の考え方に差がある
そのため、必ず各大学の募集要項を個別に確認する必要があります。
最後に
共通テストや大学入試における合理的配慮は、特別な人のための例外ではありません。
環境や対応によってつらさが増しやすい人が、本来の力を発揮するための調整です。
このコラムが、次の一歩を考えるための確かな手がかりになれば幸いです。
※制度や様式は年度ごとに更新されるため、必ず最新の公式情報を確認してください。
(文:あいこ)
参考
・大学入試センター 「受験上の配慮について」(令和8年)
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r8/r8_hairyo_qa.html

