
感覚過敏があると学校生活の様々なことに困ることがあり、それが原因で不登校になることもあります。感覚過敏があっても、快適な学校生活をおくるために、学校に相談し「合理的配慮」を受けるという選択肢もあります。
この記事では、合理的配慮とは何か、感覚過敏の合理的配慮について学校に相談する方法をご紹介します。
学校での合理的配慮とは?
学校での合理的配慮とは、特別な支援が必要な子どもが教育を受ける過程で遭遇する困りごとを解決するために行われる支援のことです。この支援は、子どもが解決を求める意思を示した際に行われること、かつ支援の実施による負担が過重でないことが重要です。
以下に、文部科学省の説明を記載します。
(1)障害のある児童生徒等に対する教育を小・中学校等で行う場合には、「合理的配慮」として以下のことが考えられる。
(ア)教員、支援員等の確保
(イ)施設・設備の整備
(ウ)個別の教育支援計画や個別の指導計画に対応した柔軟な教育課程の編成や教材等の配慮
(2)障害のある児童生徒等に対する教育を小・中学校等で行う場合の「合理的配慮」は、特別支援学校等で行われているものを参考とすると、具体的には別紙2のようなものが考えられる。
(3)「合理的配慮」について条約にいう、「均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」についての考慮事項としてどのようなものが考えられるか(例えば、児童生徒一人一人の障害の状態及び教育的ニーズ、学校の状況、地域の状況、体制面、財政面等)。
文部科学省・特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第3回) 配付資料より引用
学校での合理的配慮の例
学校での合理的配慮は、感覚過敏だけではなく、視覚障害や肢体不自由、発達障害のある子どもにも必要です。例えば、発達障害のある子どもの合理的配慮の例として、以下のものが挙げられます。
LD、ADHD、自閉症等の発達障害
文部科学省・特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第3回)別紙2 合理的配慮の例より引用
また感覚過敏の合理的配慮の例としては、以下のものが挙げられます。
感覚過敏の合理的配慮の例
感覚過敏が理由で学校生活で困っていることがある場合
感覚過敏があり、就学・通学に困難な問題があるなら、合理的配慮を受けることができる場合があります。
合理的配慮は、以下の手順で受けられるようになることが多いです。
合理的配慮を受けるまでの流れ

学校への相談方法にお困りの方へ
合理的配慮を受けるには、保護者から学校への相談が必要です。感覚過敏について詳しくない先生の場合、学校生活で困っていることや配慮の必要性について理解していただくのに時間が掛かることもあります。
学校への相談方法にお困りの場合は、これらの方法をお試しください。
教育機関向け感覚過敏相談シート
感覚過敏研究所では、保護者の方がお子様の感覚過敏について学校に相談する時に使用できる「感覚過敏相談シート」を作成し、無料公開しています。
このシートに必要な合理的配慮について記載し、担任の先生などに渡してみてください。
先生に感覚過敏に関する書籍を渡す
先生に感覚過敏に関する書籍を読んでもらったことで、感覚過敏について知ってもらいやすくなったという方もいます。
感覚過敏研究所の所長・加藤路瑛が書いた『感覚過敏の僕が感じる世界』では、感覚過敏について当事者目線かつ客観的な事実も含めて紹介しています。
感覚過敏に関するオンラインコミュニティ「かびんの森」で相談
学校に相談したものの、合理的配慮を受けられそうにないときや、どのような合理的配慮が必要かわからないときなどには、感覚過敏に関するオンラインコミュニティ「かびんの森」で相談するのがオススメです。
「かびんの森」は、感覚過敏の当事者とそのご家族が無料で参加できるコミュニティで、感覚過敏に関することを気軽に相談することができます。