
こんにちは。感覚過敏研究所サポーター&ライターのコニちゃんです。今回はヘルプマークと感覚過敏マークの利用について、私が併用するようになった経緯もあわせて紹介していきたいと思います。
まずは知って欲しい。ヘルプマークについて
ヘルプマークって?
ヘルプマークとは、
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成した
引用元:東京都福祉保健局
とのこと。他にもヘルプカードがあり、サイトにはヘルプマークやカードに関する利用方法やエピソードが紹介されています。ヘルプマークの認識は、「助けを必要としている人のマーク」「席を譲ってね」というメッセージだと思っていましたが、上記のサイトに記載されているエピソードを見ると優先席の利用だけでなく、ヘルプマークの裏面に症状の説明を書いている方もいます。そうすると、毎回説明をしなくても良いようになります。詳しく読みたい方はこちらのリーフレットもご覧ください。(参照:気付いてくださいヘルプのサイン)
ヘルプマークを見かけたら
ヘルプマークを見かける場所は電車やバス等の公共交通機関、街中、商業施設などの建物内、災害時の避難所などが考えられます。ヘルプマークを持った人が困っている様子であればその方が配慮や援助を必要としているかお声がけ頂き、必要であればサポートをお願いしたいです。
【マスクをつけられない方を知っていますか?】
感覚過敏により、マスク着用が困難な方がいます。街中でマスクをつけていない人を見かけたら、「何か事情があるのかもしれない」と想像し、思いやりのある行動をお願いします。
ヘルプマークとヘルプカードの入手方法
2021年7月時点でヘルプマークをもらえる場所はこちらになります。東京都では代理人の受け取りや郵送も行っているようです。ただし、一人一つまでなので複数受け取らないよう注意してくださいね。
ヘルプマークを実際に利用して気づいたこと
私もヘルプマークを持っています。持病のクリッペルファイル症候群、側湾症、月経困難症、感覚過敏があるため長期間の移動や活動の際に疲れやすく、疲れてしまったときに休めるよう説明するために利用しています。自己紹介記事があるのでよろしければご覧下さい。
ヘルプマークをもらうとき、役場の福祉あんしん課にヘルプマークの申請をしました。ヘルプカードとヘルプバッジも一緒にもらえました。地域によって差がありますが、ヘルプマークの利用者が自分に合った使い方をできるよう工夫されています。

役場から受け取ったヘルプマークとヘルプカード、ヘルプバッジ、説明書。(写真提供:コニちゃん)
ヘルプカードを見えるようカバンにつけていたら店員さんから「ヘルプのやつ知ってるよ。体調大丈夫?」と声をかけられました。初めて会った人ですが嬉しかったです。元気をもらった気がします。

JR西日本の優先座席に「ヘルプマークをお持ちの方」とある。(写真提供:コニちゃん)
JR西日本では優先座席にヘルプマークが追加されています。そのため他の公共交通機関よりも座席に座りやすくなったと感じました。私の場合、JRの利用は長時間で疲れてしまい、目的地に着くまでにヘトヘトになってしまうことが多いので座れることがとてもありがたいです。車掌さんの近くに優先席があるため、たとえ動けなくなったとしても対応してもらえるかもしれないという安心感もあります。体調や周囲の状況をみながら、自分が使って良いかその都度判断して利用していきたいと思っています。
ちなみにJR西日本の優先座席にヘルプマークが追加されたのは、ある1人の利用者の投稿がきっかけでした。このように、1人の声から身の回りが変化することもある。と、とても勇気をもらったお話でした。
感覚過敏マークと併用する理由。
ここまで紹介してきたヘルプマークですが、パッと見て「配慮が必要」ということは分かってもどういったことに気をつけたら良いかがわからないという声もありました。
そこで、感覚過敏に困っている人に感覚過敏缶バッジやマークとヘルプマークの併用をお勧めしたいと思います。
感覚過敏缶バッジ

わかりやすさが大事。まず知ってもらうことから
ヘルプマークだけだとどのように配慮すれば良いかがわからないという問題が常にあります。ヘルプカードは配慮してほしいことを書き込むことが出来るので便利ですが、やはりパッと見ではわかりません。このパッと見ではわからないということは「見えない障害」を持つ人にとって大きな不安です。人から元気だと思われているけど、本当はいつ倒れるかわからないと思いながら過ごしていることもあります。人と自分との体調に関する認識の差が不安の大きな要因だと私は思っています。
こういった不安の中、ヘルプマークと一緒に感覚過敏マークをつけていると、外出する時に知っている人にはわかるという安心感がありました。ヘルプマークにプラスして個別のマークを付けることにより、気づいてもらったり説明したりするきっかけになるなど周りの人からの支援にも繋がりやすくなります。
私は日常的に電子耳栓やノイズキャンセリングつきイヤホンなど見ただけでは音楽を聞いているのではないかと誤解されやすい器具を使っています。音楽を聴いて過敏な症状を紛らわせているときもあります。そういった状態が常にあるため聴覚過敏や他の過敏などがあるという事情を説明するかどうか迷うことが多いです。言葉で説明するよりマークを見てもらってわかる方が圧倒的に時間がかかりません。私はマークがあることでとても生活しやすくなりました。見てもらってわかるよう、マークが浸透するまで私は声をあげていくつもりです。また、身近な人の目に止まる位置にあることによって、目に見えない感覚を少しでも想像してもらえるように感じました。自分以外の感覚は分からないけれど、それを考えるきっかけにもなる。そんなマークだなと思います。
併用の実例

私は感覚過敏研究所のサポーターになった時にいただいた缶バッジと、各過敏マーク(ダウンロード版を20パーセントで印刷したもの)を使っています。
さいごに、配慮を必要とする人へ
「いろんな人に配慮や援助が必要だということを知ってもらうことはとても大切なことである反面、誰でもにわかる表示をすることで心無い被害にあうこともある。そういったデメリットとメリットを鑑みた上で使ったら良い」という旨のアドバイスをコミュニティで頂きました。本当にその通りだと思います。私はまだ直接被害を受けた経験はありませんが、いつどこで合うかは分かりません。気にしなければいけないことが多い中で、ヘルプカードと感覚過敏缶バッジやマークが皆さんにとって援助の手と繋がるものであることを願っております。