自己紹介
はじめまして。NMと申します。事務職の会社員をしています。私は5年前にうつ病を発症してから音や光に苦痛を感じるようになり、それを機に、幼いころから自分に感覚過敏があったことに気づきました。その中でも、特に困っているのが「聴覚(音)」の過敏です。今日は自己紹介をかねて、私が自分の聴覚過敏を図解したときのお話をしたいと思います。
聴覚過敏を図解しようと思ったきっかけ
うつ病で会社を休んでから1年ほど経ったある日、当時通っていたリワークデイケアの精神保健福祉士さんに「具体的に何に困っていますか?」と訊かれ、自分の困りごとについて紙に書き出すよう勧められました。そこで、自分にとって最大の困りごとである聴覚過敏をわかってもらうにはどうしたらいいか、白い紙に向かって考えているうちに、ふと、図で表してみようかという気になりました。
その当時は聴覚過敏が今よりずっとひどく、常に音のことばかり考えて生活していたので、それを1つずつ書き出して、場面ごとに分類してみました。そして、関係性を矢印でつないでいくと、このような図になりました。
この図を支援者に見せてみた
今でこそパワーポイントで体裁を整え、説明を足してありますが、当時は紙にエンピツで描いた、もっと簡素な図でした。でも、それを精神保健福祉士さんに見せてみると、「わかりやすい」と大好評。そして「職場では、この『オフィス』の部分だけを上司に説明すればいいんですよ」と言ってくれました。このとき、会社に戻って働いていくための現実的な道筋が見えたような気がして、なんだかホッとしたのを覚えています。
実際には、復職が決まるころには体調が安定し、聴覚過敏の程度も弱くなっていました。だから、会社や上司に対しては「電車に乗ることが負担になるので内勤の仕事を希望します」「常に耳栓をしていますが電話のベルや人の話し声は聞こえます」といった言葉の説明だけで済みました。でも、この図を作ったことは、自分の感覚を理解するうえで大きなターニングポイントになった気がしています。
自分を理解することで、はじめて人に説明できた
この経験を経て、私は「自分が何に困っているか」を理解し、そのうえで「どうしたら皆と一緒にいられるか」を具体的に説明できるようになることの大切さに気づきました。それは私にとって、周囲の人に「好きで孤独を選んでいるのではなく、本当はあなたと一緒にいたいんだ」という思いを伝え、社会の中で自分の居場所を見つけるための第一歩になりました。
感覚過敏は変化していくものです。これからも「今」の私を注意深く見つめ、感覚の違和感や身体の痛みだけでなく、そこから生まれる「心の痛み」にも耳を傾けていきたいと思っています。
感覚過敏相談シート
メンバー募集のお知らせ
感覚過敏研究所では、以下のメンバーを募集しています。
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(感覚過敏の課題解決およびセンサリーインクルーシブな社会実現に向けて活動しています。応援のみの参加も大歓迎ですが、ともに感覚について学び、感覚過敏の課題解決のための商品・サービスの企画開発や感覚過敏に関する研究をみんなで取り組めるコミュニティーです。メンバー募集中!)
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