東京都美術館「キッズ+U18デー」でのカームダウンスペース&センサリーバッグ 【事例レポート】

2025年8月25日、東京都美術館のイベント「キッズ+U18デー」でカームダウンスペースが設置されました。このイベントでは感覚過敏研究所が準備のサポートさせていただきました。今回はその準備の様子を紹介します!

「キッズ+U18デー」は、展覧会の休室日に、高校生以下のこどもとその保護者のために開室し、安心して楽しんでもらおうと企画されたものです。年齢だけでなく、感覚特性やその他サポートが必要な方が安心して鑑賞できるように準備されていました。

【イベント概要】
・日時:2025年8月25日(月)
・場所:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
・イベントページ:https://www.tobikan.jp/diy/event04.html

感覚にやさしい取り組み(1)カームダウンスペース

カームダウン・クールダウンスペースは「つくるよろこび 生きるためのDIY展」の入り口付近の通路奥に用意されました。1日だけのカームダウン・クールダウンスペースになるため、手軽に設置し、収納できるテント型で準備され、その周りをパーテーションで囲う形で用意されました。

パーテーションだけでカームダウンスペースを作る方法は遮光や人の存在感などの観点からも注意が必要ですが、このようにテントとの併用は良い使い方です。(どの向きにパーテーションを置くか、出入り口の方向はどちらがいいのか?などの調整は会場ごとに違います)

テントの中にはマットを敷き、靴を脱いで座れるようになっています。真っ黒なテントに入るのを怖がるお子さまもいらっしゃると思いますが、薄手の生地のため、照明の光が淡くテント内に入り、真っ暗にならないのがこのテントの良いところです。

感覚にやさしい取り組み(2)センサリーバッグ

今回のカームダウンスペースにはテントが採用されましたが、音を遮断することは難しいため、イヤーマフなどを利用するのも良いでしょう。今回のイベントでは、企画展の入り口でセンサリーバッグの貸し出しも行われました。センサリーバッグとは、イヤーマフやプッシュポップなどのセンサリートイが入ったバッグです。こちらも感覚過敏研究所で用意させていただきました。

写真:東京都美術館提供

「つくるよろこび 生きるためのDIY展」の入り口には、上記のような案内が掲示されており、希望される方が声をかけやすいように工夫されていました。

感覚過敏研究所の所長・加藤のレビュー

キッズ+U18デーの前日、8月24日に東京都美術館を訪問させていただきました!今回、用意いただいたカームダウン・クールダウンスペースの場所や状況を確認し、最適な運用方法を美術館の担当者の方々と話し合いました。

今回はワンタッチで展開できる室内用個室テントを採用いただきました。テント型は、短期間のイベントでカームダウンスペースを作りたい時に最適です。ただ、テントは音や光を完全に遮断できるわけではないので、周りの環境や対策が必要です。(上記写真はナイトモードを使用しているため明るく感じますが、実際は薄暗いです)

今回設置いただいた場所は、人が通る動線からは離れており、照明もテントの真上に来ない場所に設置できました。入り口の向きやパーテーションの置く場所や距離にも実はこだわりがあり、おそらく誰も気づくことはないでしょうが、あらゆる人の行動や感情を考慮しています。

カームダウンスペースの利用は受付で声をかけて利用する方法をとっておりましたので、安心の運用方法です。美術館の担当者の方も案内板の用意など創意工夫されていました。

センサリーバッグもご用意くださったので、展示も安心して鑑賞できます。実際、私も展示会場を確認しましたが、音の反響とザワザワとした感じが強い場所がありました。また、美術館の下を地下鉄が通ると音が響きます。イヤーマフをつけて鑑賞するだけで安心して落ち着いて滞在できる人も実際いるはずです。そのような人の目に留まればいいなと思います。

1日で終わるのがもったいないくらいの心遣いが感じられたイベントでした。

この記事を書いた人

jiei kato

感覚過敏研究所 所長
加藤 路瑛

自分の困りごとである「感覚過敏」の課題解決に向き合い、2020年1月に感覚過敏研究所を設立。感覚過敏がある人たちが暮らしやすい社会を作ることを目指し、商品・サービスの開発・販売、感覚過敏の研究や啓発に力を注いでいる。所長挨拶はこちらから

東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
URL:https://www.tobikan.jp/

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