感覚過敏研究所の加藤です。感覚過敏の方々にとって、照明と光は日常生活において特別な配慮が必要な要素です。明るすぎる環境や刺激的な光は、不快感やストレスを引き起こす可能性があります。しかし、適切に照明を調整し、光を管理することで、快適な生活を送ることができます。
今回は、照明コンサルタントとしてご活躍される大友恒人さんに感覚過敏の方向けに、照明と光についての提案とアドバイスをお聞きしました!
照明の調整と改善策
加藤:まず、視覚過敏で照明が眩しいと感じる人ができる工夫ってありますか?
大友:そうですね。調光可能な照明を選ぶこと、照明の色を工夫すること、間接照明の利用などが考えられます。それぞれ簡単に説明しますね。
1. 調光可能な照明を選びましょう
調光可能な照明システムを導入することで、照明の明るさを調節できます。明るい場面では光を抑え、リラックスするときには柔らかい光を楽しむことができます。 目や体調の状態によって明るさの感覚も変化します。
その時々に最適な光環境を整えることができるようにすることが繊細な感覚への助けとなります。
2. 色温度の注意
照明の色温度は、光の温かさや冷たさを表します。暖色系の光(黄色味のある光)はリラックスに適しており、寝室やリビングエリアに適しています。対照的に、クールな光(青白い光)は集中力を高めるのに役立つため、作業スペースで使用することができます。とはいえ、光色の好みは個人差が非常に大きいです。
これまで生活してきた光環境や良い思い出、悪い思い出等様々な要因で左右されることもあります。
どのような光色の時に落ち着くのかをヒアリングなどを通して探し出していくことも大事です。
3. 光の方向性
直接的な光が眩しさを引き起こす可能性があるため、天井や壁に光を反射させ、間接照明を利用しましょう。柔らかい影をつくることで、光の刺激を緩和できます。 間接照明は暗くなるという印象を持たれる方もいらっしゃいますが、適切な照明計画を行うと柔らかくも明るい空間を作り出すこともできます。
部屋の照明計画の見直し
加藤:なるほど。照明は暖色の方が落ち着くという視覚過敏の人は多いように思います。また、通常の照明は眩しいため、家の中は間接照明だけにしているという声も感覚過敏コミュニティ「かびんの森」で聞きます。それらの工夫以外にできることってありますか?
大友:そうですね。もう少し専門的に見ると、全てを間接照明や全てを暖色にすればOKということではなく、照明にも役割があるので、目的にあった照明を考えることも大切です。いくつかポイントをあげてみますね。
1. タスクライティング
各部屋ごとに光の用途を考えましょう。読書や仕事をする場所では、デスクライトなどのタスクライティングを重視し、必要な明るさを確保しましょう。
2.光の種類
リラックスする場所では、調光やキャンドルなど、柔らかい光源を利用しましょう。これにより、ストレスを軽減し、リラックス効果を高めることができます。
3. 光源の配置
光源を適切に配置して、眩しさや手暗がりなどを避けましょう。
強い輝きの光源が見える場合は眩しさやストレスを感じやすいことがあります。また、適切な位置に光源が無いと手元に影ができ、作業性の低下やストレスを感じやすくなります。
お部屋の照明でお困りの場合は
加藤:照明って夜を快適に過ごせる大切な道具でありながら、視覚過敏がある人にとっては邪魔者になってしまう存在でもあります。家の中は遮光カーテンをして、室内は全て間接照明で暮らしている方のお話を聞いた時、「照明問題をなんとかしたい!」と思いました。大友さんと一緒に、視覚過敏や眩しさにお困りの方の照明についても取り組んでいけたらいいなと思います。
大友:そうですね。自分でできる工夫もありますし、私たちのような照明のプロだからこそご提案できることもあります。
加藤:以前、大友さんに見せていただいた資料で、同じ家の同じ場所のダウンライントなのに少しの工夫で光の方向性やまぶしさが劇的に変わっていて、こういうのはプロに相談しないと解決できないなと思いました。是非、ご自宅や職場、お店を「眩しさを軽減した快適な空間にしたい!」というご希望があれば、まずはお気軽に感覚過敏研究所にお問合せください。大友さんと一緒に取り組んでいきたいなと思っています。
視覚過敏とは
感覚過敏研究所が視覚過敏にお悩みの方へできること
-
白い紙がまぶしい方へのオススメ商品
白い紙がまぶしい方へのオススメ商品
ページオーバーレイやカラーノートなど、白い紙がまぶしい方へのオススメ商品を取り揃えています。
-
感覚過敏に関する書籍
感覚過敏に関する書籍
感覚過敏研究所の所長、加藤路瑛の著書。感覚過敏の当事者生と中高生の視点から感覚過敏に関する本を2冊出版しています。
-
視覚過敏に関するコラム
視覚過敏に関するコラム
視覚過敏に関するコラムを発信中です。参考にあるものがあれば嬉しいです。
-
感覚過敏研究所オンラインストア
感覚過敏研究所オンラインストア
視覚過敏缶バッジをはじめ、視覚過敏の方に役に立つ商品を紹介・販売しています。
-
感覚過敏コミュニティ「かびんの森」
感覚過敏コミュニティ「かびんの森」
視覚過敏の仲間がたくさん参加しています。
-
感覚過敏缶バッジ・シール
感覚過敏缶バッジ・シール
視覚過敏缶バッジ、ダウンロードコンテンツを販売しています。視覚過敏の困りごとをさりげなく伝えたり、会話のきっかけにもなります。また、「つけておくと安心」というお守りのような存在にもなっています。
-
アパレルブランドKANKAKU FACTORY
アパレルブランドKANKAKU FACTORY
カームダウンパーカーはフードが大きく、刺激から逃れたい時に便利なアイテムです。感覚過敏の方のために細部にこだわった逸品です。
-
感覚を才能にシリーズ!感覚のゲーム
感覚を才能にシリーズ!感覚のゲーム
感覚を使ったゲームです。視覚を使ったゲームもあります。小さな変化に気がつける過敏さを少しポジティブに感じていただける体験をしていただけたらと思っています。
-
イノチグラスのカラーレンズ
イノチグラスのカラーレンズ
感覚過敏研究所では感覚過敏の課題解決のためにイノチグラスのカラーレンズを取り扱っています。人によって眩しくないレンズの色は違います。レンズ測定はイノチグラスのカラーサポーターでもある所長・加藤が担当します。
-
病院が苦手な人のための感覚過敏相談シート
病院が苦手な人のための感覚過敏相談シート
感覚過敏があると病院や歯科医院に行くのも大変です。病院受診の際に相談できる「感覚過敏相談シート」を作成し、無料公開しています。どなたでもダウンロードしてご利用いただけます。
-
教育機関(学校)向け感覚過敏相談シート
教育機関(学校)向け感覚過敏相談シート
感覚過敏研究所では、保護者の方がお子様の感覚過敏について学校に相談する時に使用できる「感覚過敏相談シート」を作成し、無料公開しています。どなたでもダウンロードしてご利用いただけます。
-
SDI推進室(センサリーダイバーシティ&インクルージョン)
SDI推進室(センサリーダイバーシティ&インクルージョン)
センサリーインクルーシブな社会に向けて、「センサリールーム」「カームダウンスペース」「クワイエットアワー」「センサリーマップ」の企画・提案・コンサルティングなどを行なっています。関連商品の販売を行なっています。
-
感覚過敏あるある漫画
感覚過敏あるある漫画
感覚過敏研究所がお届けする感覚過敏あるある漫画。毎月10日に1話、インスタグラムとXで公開しています!「あーわかる」「それそれ」「あるある」と読んでいただけると嬉しいです。
-
お知らせ
お知らせ
感覚過敏研究所の取り組みのお知らせや、メディア出演、イベント登壇など、さまざまな活動報告や事前情報を発信しています。感覚過敏の情報は少ないため、感覚過敏に関するポータルサイトを目指してします。
-
加藤所長のX(旧Twitter)
加藤所長のX(旧Twitter)
所長のXアカウントでは感覚過敏の情報発信だけでなく、当事者の方々や支援者との意見交換の場面も多く、生の声に触れることができますのでフォローをおすすめしています。感覚過敏研究所のアカウント もフォローください!
-
メルマガ配信
メルマガ配信
感覚過敏研究所の取り組みやお知らせをメールでお届けしています。不定期です。